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【岡山県】

寄り添い傾聴ボランティア 玉野の団体、高齢者施設訪れ活躍

山陽新聞 2019年5月30日(木)
高齢者に寄り添い、話を聞くパレットのメンバー
高齢者に寄り添い、話を聞くパレットのメンバー

 社会の高齢化とともに、高齢者の話をじっくり聞き、元気になってもらう傾聴ボランティアが注目されつつある。玉野市内にもボランティアグループ「パレット」があり、聞くことを通して気持ちに寄り添っている。

 3月中旬、田井のグループホーム「愛の家玉野」を、パレットのメンバー3人が訪れた。椅子に座った入所者に寄り添い、とつとつと語る言葉に耳を傾ける。<若い頃は苦労ばっかりしてきた…><食事もおいしくて、今の生活には満足しています>。繰り返される言葉にも、じっと相手の目を見てうなずく。

 「頑張ってこられたんですね」。時折、相づちを打つと、お年寄りがほっとしたような表情を見せる。「つらい体験や気持ちを受け止めることが、相手の心の癒やしにつながる」とメンバーの武田百合子さん(71)。同じくメンバーの大賀和弘さん(76)は「豊かな人生経験はこちらの参考にもなる。ライフワークとして続けたい」と話す。

 傾聴ボランティアは、相手が吐露する話を聞き、感情を発散してもらうのが役割だ。2010年に発足したパレットには、約40人が所属する。メンバーが市内8カ所の特別養護老人ホームやグループホームを訪問し、入所者の言葉に耳を傾ける。

 傾聴では説教や忠告は禁物。大切なのは話を聞きながら感情を理解し、共感すること。忍耐力が必要で、聴き手も相手もリラックスできる雰囲気づくりも重要だ。

 施設訪問とは別に、すこやかセンター(同市奥玉)で開く研修会では、ロールプレーに力を入れる。「話す役」と「聴く役」に分かれ、本番を想定しながら練習を重ねる。代表の木下修夫さん(79)=山田=は「大事なのは心を開いてもらうこと。『何かしてあげたい』という、上から目線の押し付けは駄目。練習から気を付けています」と説明する。

 介護の現場では、話したいお年寄りが多いのに介護スタッフや家族は忙しく、十分に聞いてあげられないのが現実という。「だからこそ、傾聴が必要とされている」と木下さん。「これからも、相手にそっと寄り添い、話と一緒に気持ちをぶつけてもらえるような存在でありたい」