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【秋田県】

高齢者の孤立防げ「しあわせ食堂」 若者と食卓囲む、三種

秋田魁新報 2019年6月12日(水)
食事をしながらだんらんの時を過ごす参加者
食事をしながらだんらんの時を過ごす参加者

 1人で暮らす高齢者の孤立を防ごうと、秋田県三種町森岳の「長信田の森心療クリニック」は7日、クリニックを利用する若者と町内の高齢者が一緒に食卓を囲む「しあわせ食堂」を、同町浜田の浜口地区館で開いた。地域の高齢者約30人が食事を味わいながら、若者たちと楽しいひとときを過ごした。

 しあわせ食堂は、クリニックが2017年度から町内各地域で実施している。本年度のスタートとなった同日は、若者や職員など約20人が会場や昼食の準備に当たった。献立はカレーライスで、カレールーやトッピング用のハンバーグ、ウインナー、夏野菜を調理した。

 準備ができると、それぞれカレーに好みの具材をのせて食卓に着いた。参加した高齢者は離れて暮らす家族のことや、若者たちが取り組む長信田太鼓といった話題に花を咲かせながら食事を味わった。

 続いて若者5人が長信田太鼓を演奏し、力強いばちさばきを見せた。演奏後は高齢者にばちを渡して一緒に太鼓をたたき、触れ合いを楽しんでいた。

 8年間1人暮らしをしているという同町大口の女性(71)は「関東で暮らす娘の話で盛り上がることができた。若い人たちと心ゆくまで話せて幸せ」と語った。

 太鼓演奏を披露した鈴木日菜さん(16)は「参加者の人たちと仲良くなれて、すごくうれしい」と笑顔を見せた。

 クリニックは本年度から、地域の各種団体と連携し、しあわせ食堂の取り組みを広げていく方針。この日は浜田地区で認知症予防サロンなどを開いている「浜田げんきかい」(清水愛子会長)の協力を得て実施した。

 町福祉課のまとめによると、町内では1人暮らしの高齢者世帯が1335世帯(昨年7月時点)ある。クリニックの水野淳一郎副院長(52)は「長信田の森だけの活動だけでなく、より多くのお年寄りが誰かと一緒に食事を楽しめるよう、開催してくれる団体を増やしていきたい」と話している。