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【新潟県】

福祉施設で即興演奏 心身元気に 音楽療法士、演奏家と新潟で試み

新潟日報 2019年9月2日(月)
施設利用者に楽器を手渡す音楽療法士の大竹孔三さん(中央)と、演奏する坂井加納さん(後方)=新潟市西蒲区
施設利用者に楽器を手渡す音楽療法士の大竹孔三さん(中央)と、演奏する坂井加納さん(後方)=新潟市西蒲区

 音楽を通して心身機能の維持向上を図る音楽療法士が、演奏家と一緒に新潟市の社会福祉施設で、利用者と即興演奏する試みを始めた。演奏家が参加することで芸術性を高め、利用者の表現力や自発的なコミュニケーションを引き出すのが目的。演奏家の技術と音楽療法士の知識・経験の相乗効果で、より質の高いサービス提供を目指す。

 新潟県音楽療法士協会が、市民の文化芸術活動を支援する「アーツカウンシル新潟」(市芸術文化振興財団内)の助成を受け実施。高齢者や障害者の孤立など社会的課題に対し音楽を活用しようと、演奏家や施設との協力体制づくりを進めている。アーツカウンシル新潟によると、音楽療法士と演奏家が一緒に施設で活動するのは全国的にも珍しいという。

 即興演奏は8月から10月まで市内の「高齢者」「成人」「児童」の3分野の社会福祉施設で3回ずつ行う。各回の終了後、施設職員らに聞き取りをし、利用者に合わせた活動を考える。

 20日には、西蒲区の住宅型有料老人ホーム「豊寿苑」で高齢者対象セッションの1回目を開いた。音楽療法士の大竹孔三(よしみ)さん(40)=県音楽療法士協会副会長=と市内で活動するピアニスト坂井加納(かな)さん(37)が、施設利用者6人と即興演奏をした。

 利用者にはタンバリンや鈴などが手渡され、坂井さんの伴奏で自由に音を出した。大竹さんは反応を見ながら、「楽器をやりたい気分ですか」「リクエストはありますか」と声を掛けた。

 参加した80代女性は「いい体験だった」と満足そうだった。施設職員からは「最初は緊張していたが、次第に表情がほぐれていくのが分かった」といった感想が聞かれた。

 大竹さんは「演奏家が伴奏を担ってくれていたので、利用者のそばで細かい指導ができた」と振り返った。今後は各施設での効果・課題を検証し、活動の場を広げていきたい考えだ。