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【大分県】

移動支援とシェアハウス、高齢化に負けない大分市の住民活動

大分合同新聞 2019年9月4日(水)
9月から単身の高齢者が共同生活するシェアハウス
9月から単身の高齢者が共同生活するシェアハウス

 大分市本神崎の「NPO法人福祉コミュニティKOUZAKI」(高橋政行理事長、110人)が新たな活動を始めた。住民から寄贈された中古の軽自動車と平屋を活用し、無料の移動支援と単身者のシェアハウスを運用。「住み慣れた地域で末永く暮らせるように助け合おう」という思いを実行に移している。
 本神崎では約30年前から地域おこし活動が始まった。1990年代に地区内で1人暮らしの男性が孤独死したのを契機に地域福祉活動を強化。2007年に「KOUZAKI」を設立した。18年度からの介護保険制度改正を受け、日常生活の困りごとを住民の力で解決する体制づくりのため、同年7月に実動部隊となる「こうざきご加勢隊」(中村勲会長、54人)を立ち上げた。
 無償の移動支援は、ご加勢隊の総会(8月22日)後から始めた。90歳で運転免許証を返上した梶谷衛治さん(91)、ミネ子さん(88)夫婦は「買い物があるときに利用する。ものすごくありがたい」と感謝する。
 シェアハウスは築30年で106平方メートル。9月から入居できる。家賃は3人(定員)で計3万円。1人暮らしの中村会長(79)は「みんなと住みたい。安心だから」と入居を決めた。台風などで不安な日は、近くの高齢者が集う場にもなる。
 「KOUZAKI」はこうざき校区社協が06年から発行する「ご加勢チケット」を活用し、高齢者から草刈りや食事作りなどの依頼を受けてきた。高齢化率が40%を超える地域で独自システムを構築した取り組みは「模範的」と評価が高く、他地域からの視察も多い。
 中心的存在の稲生亨さん(73)=KOUZAKI事務局長=は「困っている人がいたら助ける。支え合う地域にしたい」と力を込めた。