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【秋田県】

障害の垣根超え学ぼう 湯沢市に生涯学習教室

秋田魁新報 2019年9月19日(木)
稲川支援学校の卒業生らにタブレット端末を使った学習を指導する阿部さん(左から3人目)
稲川支援学校の卒業生らにタブレット端末を使った学習を指導する阿部さん(左から3人目) 

 障害の有無にかかわらず、誰でも無料で利用できる生涯学習教室を、秋田県湯沢市大工町で学習塾と起業家支援業などを営む元高校教諭の阿部浩美さん(43)が始めた。阿部さんと女性スタッフ1人がおおむね月2回、国語や数学、絵画、パソコン、ビジネスマナーなどを指導し、利用者に喜ばれている。
 障害者の生涯教育を充実させようと、文部科学省が昨年度から全国の団体に委託して行っている3カ年のモデル事業の一つ。本県では昨年度に北秋田市、能代市、潟上市で始まり、本年度は由利本荘市と湯沢市に開設された。
 県教育庁生涯学習課によると、特別支援学校の卒業生は、学区が広域なため卒業後に同級生と会うことが難しいことなどから、休日は孤立しがちだという。また、これまでは障害者の生涯学習に目が向けられてこなかったこともあり、対応が求められていた。
 本県でのモデル事業は県北を中心に始まったため、本年度は県南の湯沢市が打診を受けた。同市は、以前から市の教育事業などに関わってきた阿部さんに依頼。阿部さんは塾と同じ建物で、さまざまな業種の人が共用で使う仕事場「コワーキングスペース」を開設しており、そこを生涯学習の場とした。
 オープンは先月3日。市内の普通学校の児童生徒が利用しているほか、今月7日には稲川支援学校高等部の生徒と卒業生計7人が訪れ、タブレット端末を使った塗り絵などを行った。参加者は休憩時間を惜しんで取り組むほど熱中し、卒業生の20歳女性は「仕事が休みの日は、家でスマートフォンのゲームをしていることが多い。きょうは楽しく過ごせたので、また来てみたい」と笑顔を見せた。
 阿部さんは「終わったのに『帰りたくない』と言ってくれる利用者がいて、こういう場が求められていたことを実感した。障害の有無に関係なく学べ、誰もが笑顔になれる場をつくっていきたい」と話した。
 開講日は原則第1、3土曜日午後1時半〜4時。問い合わせは、阿部さんが経営するリード学舎TEL0183・55・8550