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【栃木県】

がん患者と家族を励まし合い30年 宇都宮・たんぽぽの会 悩み語り、生きる力生む

下野新聞 2019年10月10日(木)
近況を語りながら、がん患者とその家族を応援するイベント用のバッグを作る会員たち
近況を語りながら、がん患者とその家族を応援するイベント用のバッグを作る会員たち

 【宇都宮】がん患者とその家族の会「たんぽぽの会」(加藤玲子(かとうれいこ)会長)が今年、結成30年を迎えた。毎月1回県立がんセンターで会合を開き、病と向き合い悩みを分かち合う。患者同士が励まし合いながら、生きる力を生み出す場になっている。
 同会は1989年3月、がん体験者が発起人になり、死への不安や身体と精神の苦痛の問題を一緒に考え支え合うことを目的に発足した。
 当時は「がんイコール死」というイメージが強く、本人への告知も主流ではなかった。病気を他人に話せる空気は薄く、治療に関する情報も少なかった。90年から参加する加藤会長(78)=桜5丁目=は「気持ちを開放できる場がない中で、この会は居心地が良かった」と振り返る。
 現在会員は30〜80代の35人。定例会で参加者は「抗がん剤の副作用がつらい。やめたいと思う時もある」(すい臓がんの60代)や「子どものことを考えると不安で仕方がない」(乳がんの30代)など、さまざまな悩みを打ち明ける。
 医療の進歩や氾濫する情報、患者自身が治療法を選ぶ時代になり患者を取り巻く環境は大きく変化したが、患者の不安は変わらない。会は聞いたことは口外しないことが決まりで、誰かが話す時は真摯(しんし)に耳を傾けるなど、話しやすく安心できる雰囲気づくりに努めている。
 5年前から参加する雀宮4丁目、保育補助員小沼香子(こぬまこうこ)さん(57)は「つらいのは自分だけではない、と思えた。安心して話すことができる場所」とする。
 加藤会長は「病院や部位ごとに患者会がある時代になったが、たんぽぽの会はどの病院どんな部位でも受け入れる。悩んでいる人は参加してください」と話している。(問)加藤会長028・635・0891。