ニュース
トップ

【高知県】

ネット・ゲーム依存 興味を健全な方向へ 医療や教育専門家が議論

高知新聞 2019年11月18日(月)
講演する樋口進院長(高知市の高知新聞放送会館)
講演する樋口進院長(高知市の高知新聞放送会館)

 「第78回日本公衆衛生学会総会」が高知市内で3日間にわたって開かれ、全国の保健師、医師、福祉関係者ら約3400人が参加した。

 「スマホ・ネット・ゲーム依存対策」のシンポジウムでは、子どもらを取り巻くゲームやネットの現状について、医療や教育の専門家が議論した。

 国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県)の樋口進院長は、有料の電子くじ「ガチャ」を念頭に「ゲームとギャンブルが一体化している」と指摘。ガチャを主な収入源として世界のゲーム市場は毎年11%ずつ増えており、2019年は「16、17兆円規模」と説明した。

 国立病院機構久里浜医療センターのゲーム障害の患者には、学校の成績低下、親への暴力、昼夜の逆転などの問題が見られると報告。全国の精神保健福祉センターでもネットやゲームに関する相談が急増しており、「実態調査や問題意識の向上、学校での予防教育など包括的な対策が必要」と強調した。

 また、韓国の対策として、16歳未満は午前0〜6時までオンラインゲームにアクセスできない「強制的シャットダウン制度」や治療キャンプなどの取り組みを紹介した。

 和歌山大学教職大学院の豊田充崇教授は、教育現場での実践を報告。「学校ではICT(情報通信技術)の活用を推進しながらも、依存させてはいけない。その点が難しい」とし、「受け身的なゲーム依存から、主体的なクリエーターへの転換を図りたい。子どもたちの興味関心を健全に創造的な方向に持っていくことが教育者の役割だ」と語った。

 その上で、生徒自身がスマホのメリットやデメリットを考える授業などを紹介。「子どもたち同士で議論させ、判断力や心構えを身に付けさせる教育が大切だ」と話した。