ニュース
トップ

【青森県】

黒星病を農福連携で防除/弘前のリンゴ園

東奥日報 2019年12月5日(木)
ニュース画像
弘前市高杉のリンゴ園地で黒星病対策の一つである落葉処理作業に従事する障害者福祉施設の利用者ら。3日は桜田市長(左奥)らが視察に訪れた

 障害のある人が農業分野で活躍する「農福連携」でリンゴ黒星病を防ごうと、青森県弘前市の障害者福祉施設の利用者らが3日、市内の園地で黒星病対策の一つである落葉処理作業を始めた。関係者らは、農業の人手不足解消と障害者の経済的自立につながるとして、取り組みの広がりに期待を寄せている。県や市の担当者は「黒星病対策に農福連携で取り組むのは県内では初めてではないか」などと話している。

 黒星病はリンゴの葉や果実の表面に黒い斑点が出る病気で、一昨年、昨年と県内各地で多発した。落葉処理作業は、黒星病に感染している可能性のある葉や果実を処分する「耕種的防除」の一環として行う。

 同日は、市内3施設から知的障害などがある利用者計12人が参加。同市高杉の水島定美さん(70)の園地の一部で熊手などを使い手際よく落葉を集めていた。天候を見ながら、春までに68アール分の作業を完了させる。

 市は本年度から、被害果処理などにかかる費用の一部を補助する制度「りんご黒星病耕種的防除対策事業費補助金」を導入し、本年度予算に500万円を計上している。今回の取り組みは同補助金を活用した。

 利用者を派遣した多機能型障害福祉サービス事業所りんごの里(同市)の成田厚所長は「黒星病の対策にもなり、利用者の仕事の確保もできるウィンウィン(相互利益)の関係だと思う。年間を通して作業ができれば、利用者の経済的自立にもつながる。ぜひ続けていきたい」と語った。

 水島さんは「(落葉処理を)やらなければと思っていても手が回っていないのが現状。作業をしてもらってすごく感謝している。黒星病は一つの園地の対策だけでなくせるということではないので活動が広がっていけばいい」と話していた。同日は桜田宏市長らが視察に訪れた。