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【京都府】

駅ホーム転落防ぐ「スマート白杖」危険な場所、無線で視覚障害者にお知らせ

京都新聞 2020年2月17日(月)
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京セラが開発中のスマート白杖と無線タグ。白杖の先端がタグに近づくとバイブや音声で危険を知らせる(横浜市西区・同社みなとみらいリサーチセンター)

 京セラはこのほど、駅ホームで視覚障害者の安全な歩行を支援するシステムを発表した。ホームの端など危険な場所に無線タグを設置しておくことで、電波を受信できる専用の「スマート白杖(はくじょう)」がその場所に近づくとバイブや音声で危険を知らせる。現在は開発中だが、安全性を安価に高められる利点があり、3年以内の実用化を目指している。
 視覚障害者の転落事故は、2011年1月に東京都豊島区のJR山手線目白駅で全盲の男性が転落死したことなどを契機に注目が高まった。乗降客数が多い都市部のホームドア設置は進んでいるが、多額の費用がかかるため全国的には進んでおらず、視覚障害者の転落数や死亡者は必ずしも減少傾向にはないという。
 京セラが開発中のシステムは、無線タグをホーム端や列車の連結部、点字ブロック脇に取り付けると環境構築が可能になる。スマート白杖の先端が半径25センチに設定した無線タグの受信範囲に入ると持ち手が震え、専用アプリを入れたスマートフォンから「ホームの端に近づいています」といった音声が流れる。
 この日横浜市西区の同社みなとみらいリサーチセンターで、報道関係者向けの説明会が開かれた。18日〜3月19日には一般向けの体験コーナー(予約制)も設け、寄せられた感想を改善につなげるとしている。
 開発を担う同社研究企画部責任者の中川浩文氏は「京セラは無線通信技術にたけているほか、スマホのソフト開発力もあり、システム全体を自己完結できる」とする。また視覚障害者や駅ホームだけでなく、子どもや高齢者の見守り、ため池や急勾配の階段の安全確保などさまざまな場面での応用が考えられると拡張性をアピールしている。