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【栃木県】

買い物の喜び、感謝の声 高齢者サロン連携、栃木・真岡市の移動販売好評

下野新聞 2020年3月27日(金)
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移動手段の確保が難しい高齢者から好評の移動販売

売り手側の態勢整備課題
 移動手段の確保が難しい真岡市内の高齢者などの支援を目的に、市社会福祉協議会と市商店会連合会が昨年11月に始めた移動販売事業が好評だ。対象は自治会などの単位で市社協が運営する高齢者の居場所づくりなどのための「ふれあい・いきいきサロン」の参加者だが、他の市民も購入でき、移動販売がきっかけでサロンに加入する人もいるなど地域のつながりにも一役買っている。一方、利用者の増加が見込まれることから、今後は人手の確保など売り手側の態勢整備も課題となりそうだ。
 「ただいまから移動販売を行います。いらっしゃいませ。どうぞご利用ください」
 この日、周囲にアナウンスしながら西田井第2サロン会場の公民館前に販売車が到着。同市台町、精肉店経営藤田明(ふじたあきら)さん(73)が手際よく準備し、瞬く間に「出張スーパー」となった。
 販売車に並ぶ商品は、藤田さんが選んだり希望を受けたりした肉や野菜などの生鮮食品から調味料、総菜、菓子まで計約100種類。売れ筋は「やわらかい」と評判のモツ。利用者は買い物かごを手に次々と選んでいく。
 「自分の目で確かめて買い物する喜びを感じますね」と声を弾ませるのは西田井第2サロン代表の中里絹代(なかざときぬよ)さん(67)。月1回の販売日に利用し、そのまま加入した人もおり、「仲間づくりにもなっています」と笑顔を見せる。
 サロンの代表が希望日を指定し、来てもらう仕組み。市内53サロン(計約740人)のうち14サロン(同220人)が利用登録しており、市中心部から離れ、市街地循環バス「いちごバス」の利用困難な山前地区や中村地区での利用が多い。
 月2回利用する中村地区の三ツ谷サロンでは「用意する手間が減り楽できる」と昼食のおかずとして揚げ物を購入する人が多い。
 最寄りのコンビニまでは西田井第2が約1・8キロ、三ツ谷は約1・7キロと、長距離の外出が容易でない高齢者にとっては買い物のハードルが高く、三ツ谷サロン代表の伊沢(いざわ)ちえ子(こ)さん(69)は「老夫婦や高齢者の1人暮らしはこれからさらに増える。来てもらえるのはありがたく、今後も利用を続けたい」と感謝する。
 市社協によると、他にも移動販売の利用を検討しているサロンがあり、今後も利用者の増加が予想される。事業は好調に滑り出したが、現在サロンを回るのは藤田さんが所有する販売車1台だ。藤田さんは「今の状況であれば何とかやれそう」と意欲を見せるが、負担を心配する声もある。
 また、仮に担い手が増えても新たな販売車の購入には数百万円の費用がかかるとみられ、運用には保健所の許可も必要になる。高松利雄(たかまつとしお)連合会長(72)は「回数も増えて慣れてきたところ。まずは1年やってみてから検討したい」と話している。