ニュース
トップ

【京都府】

「廃業の民間病院も・・・」感染リスク恐れ外来患者が激減 地域医療崩壊の危機

京都新聞 2020年5月21日(木)
ニュース画像
外来で訪れる人が減り、ソファにも空きが目立つ受付ロビー(8日午前11時、京都市下京区・康生会武田病院)

 新型コロナウイルスのまん延に伴い、京都府内の民間病院が苦境に立たされている。感染リスクを恐れて外来患者が激減する一方、院内感染防止や診療態勢の維持に向けたコストが経営を圧迫しているためだ。京都私立病院協会(京都市下京区)が府内30病院に緊急アンケートしたところ、25病院で4月の総収益が前年同月比マイナスだったことが判明。協会は「廃業に追い込まれる病院が出てくる可能性もあり、地域医療の崩壊につながりかねない」と危機感を募らせている。

 協会には府内ほぼ全ての民間約130病院が加盟。このうち、新型コロナに感染した入院患者の受け入れ態勢を整えたり、帰国者・接触者外来を設置しているのは一部にとどまり、大半は通常通りの診療を続けている。

 協会によると、政府が緊急事態宣言を出した4月以降、多くの病院で外来患者が激減。院内感染防止の観点から救急の受け入れや手術の実施に慎重な病院もあり、入院病床の利用率も低下しているという。

 緊急アンケートは、新型コロナが病院経営にどのような影響を及ぼしているか把握する目的。急性期を中心とした計30病院を対象に4月23〜28日に実施した。2〜4月の外来患者数▽入院患者数▽外来収入▽入院収入▽外来、入院収入などを合わせた総収益−の増減率(各月とも前年同月比)を尋ねた。

 患者数の落ち込みは4月が大きく、外来は25病院で減少し、全体では平均19・9%減。入院は26病院で減り、全体では平均9・3%減だった。「スタッフが発熱するたびに診療中止」「救急と新規外来の受け入れをストップした」などの回答もあり、態勢縮小を迫られる実態も浮き彫りとなった。

 4月の総収益は25病院でマイナスを見込み、全体の平均は14・6%減。20%超の減となった病院は7施設に上り、最大で65・7%減の病院もあった。自由回答では「マスクや防護服など医療資材の単価が高騰し、経営を圧迫している」「人件費を削減するしかない」と苦しい経営事情を訴える声もあった。

 同協会の清水鴻一郎会長は「府民の健康を守る拠点を維持するため、自治体には経営悪化に伴う補償や融資など積極的な支援をお願いしたい」と話している。