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【熊本県】

お寺、高齢者の避難所に 熊本市社協が協力呼び掛け コロナ影響受け福祉施設利用中止で

熊本日日新聞 2020年5月29日(金)
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災害時に高齢者の避難所となる良覚寺の本堂と吉村隆真住職=熊本市南区

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、熊本市社会福祉協議会(中央区)と校区社協は、災害時などに1人暮らしの高齢者の自主避難を促す事業で、受け入れ先となっていた福祉施設などの利用中止を決めた。市社協などは梅雨入りを前に、代替避難所として地域の寺を活用する取り組みを始めた。

 同市南部の校区社協と介護老人福祉施設は1997年度から、1人暮らしの高齢者が災害の発生前に自分の判断で福祉施設などに避難できる仕組みを整えた。その後、市社協も加わり「高齢者SOSサービス事業」として、他の校区社協と施設にも広がった。

 2019年度に名称を「市社協自主避難サポート事業」と変更。現在、南区を中心に26校区の39施設が協力している。昨年度は南区の住民延べ35人が利用したが、本年度は新型コロナの影響で施設が使えなくなった。このため、市社協は有事の避難所確保に向け「比較的広いスペースがある地域の施設」として寺に着目。個別に協力を呼び掛けている。

 避難所として受け入れを決めた光顕寺(南区)の前住職・尺一賢昌[かねかずけんしょう]さん(73)は「以前から地域には身近な受け入れ場所が必要だと感じていた。ぜひ寺を活用してほしい」。良覚寺(南区)の吉村隆真[りゅうしん]住職(46)も「寺は地域や社会に開かれたものでなければならず、貢献したい」と話す。

 利用を希望する高齢者は事前に登録。避難の際は校区社協に連絡し、無料で使える。アルファ米などの備蓄食料や水は市社協が準備。費用は共同募金の配分金を充てる。

 コロナ禍の収束が見通せない中、避難所の確保に危機感を抱く関係者も少なくない。市校区社協連絡協議会の主海[とのみ]偉佐雄会長(84)は「市内全域の寺に協力をお願いしたい」と呼び掛けている。市社協TEL096(288)2748。(飛松佐和子)