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【鳥取県】

フレイル評価システム期待 鳥取県内自治体で導入相次ぐ

山陰中央新報 2020年8月11日(火)
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フレイルチェックの結果を表す評価表。各高齢者に合わせたきめ細かい指導、助言が可能になる

 新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、外出の手控えで心身の機能が低下した高齢者を早期に見つけ、改善を促すフレイル評価システムの導入が、県内の自治体で相次いでいる。フレイルは身体や頭の動きが低下し、要支援・介護になる一歩手前の段階を表す。80歳以上では要介護の引き金になりやすいという。米子市の医療・福祉関連IT企業が開発したシステム活用の動きは、コロナ禍を背景に加速しそうだ。

 「つかみにくい実態を把握し、素早い対応につなげたい」。7月の臨時町議会で関連予算270万円を計上した日野町。住田秀樹・健康福祉課長は、今秋から運用を始めるフレイル評価システムに期待を寄せる。

 高齢化率49・2%の同町は、75歳以上(868人)の後期高齢者医療などに占める1人当たりの入院費が介護保険料とともに県内トップ。いかに健康寿命を延ばすかが課題になっているが、全国に広がる感染再拡大を受けて急きょ、システム導入を1年前倒しした。

 背景には、長引く地域の集いや健康教室の開催見合わせの影響で、高齢者の外出自粛が常態化している現状がある。町地域包括支援センターの生田直子所長は「フレイルが懸念され、対策が焦眉の急」と危機感を募らす。

 導入の動きは、鳥取市や日吉津村にも波及。ほかに5自治体が検討しており、コロナ禍以前に導入した米子、倉吉、湯梨浜の3市町を加えると、県内19市町村の半数以上がフレイル対策に乗り出す見通しだ。

 耳新しいフレイル評価システムとは何か。東京大医学部付属病院老年病科と共同開発したコロンブス(米子市西福原4丁目、増田紳哉社長)の谷口義昌営業部課長によると、ICT(情報通信技術)を活用し、従来の聞き取りチェックを見える化。現場で簡単に判定できるようにした。

 例えば「階段を手すりや壁をつたわずに昇っていますか」など、高齢者がタブレット端末などに映し出された厚生労働省作成の基本的な質問(25項目)に答えるだけで即座に評価。フレイルか、予備軍のプレフレイルか、健康かを瞬時に判定する。

 高齢者が事前に記入し、提出したチェック表の入力でも判定できるため、濃厚接触の回避もできる。

 判定結果から優先度の高い対象者を抽出し、戸別訪問などの介護予防指導や運動処方に生かすことが容易に。データベースで状態の変化も可視化でき、高齢者の改善意欲を引き出す効果もあるという。

 昨夏、県内でいち早く導入し、米子市永江地区をモデルに予防事業を展開する同市健康対策課がまとめた3月末時点の結果では、高齢者530人の約半数が運動不足や孤立感などの影響でフレイルやプレフレイルの状態にあった。

 同課の保健師、後藤恭子さんは「対策が急がれているフレイルという言葉を浸透させ、各地区に事業を広げたい」と話す。