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【神奈川県】

「地域は家族」実践評価 藤沢の介護事業所がアジア健康賞・準大賞

神奈川新聞 2020年9月28日(月)
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アジア健康長寿イノベーション賞準大賞受賞を喜ぶ菅原さん(右から3人目)と利用者、スタッフ=藤沢市

 高齢化が進む神奈川県藤沢市・大庭地区の賃貸マンションの一角に小規模多機能型居宅介護事業所「ぐるんとびー」(菅原健介代表)が開設され5年。「地域全体を一つの大きな家族に」との理念の実践が評価され、政府のアジア健康構想の一環として創設された「アジア健康長寿イノベーション賞」の準大賞を受賞した。利用者の自尊心と生きがいを重視した取り組みが、地域共生社会のモデルとして注目されている。
 同賞は、日本国際交流センター(東京都)と東アジア・アセアン経済研究センター(インドネシア・ジャカルタ)が、高齢化が加速するアジア地域で高齢者の経済的、社会的な自立を支援する取り組みを促進し、健康長寿社会の構築につなげようと創設。第1回の今回は、アジア12カ国・地域から約130件が応募。7月下旬、受賞団体が決定した。
 ぐるんとびーは、準大賞に加え、国内選考のコミュニティー部門の「最優秀施設」にも選ばれた。タイやベトナムなどの国家的プロジェクトが大賞を受賞する中、菅原さんが2015年8月、都市再生機構(UR)の賃貸マンションの空き室を活用して始めた地域に根差す活動が高い評価を受けた。
 URの物件で小規模多機能型居宅介護事業所を開設したのは、全国で初めての試みだった。現場では介護福祉士、看護師、理学療法士など多職種が連携。菅原さんをはじめ一部のスタッフはマンションに居住し、自治会役員も務めている。
 「団地の中で地域住民と交ざり合いながら、専門性の枠を取り払い、困りごとには何でも対応する」と菅原さん。24時間、何かあったら駆け付けることができる場所が身近にある−。それが高齢者の安心感につながっているという。
 「好きなことへの『つながり』を取り戻すことで人は元気になる」との理念の下、訪問、通い、宿泊を組み合わせながら、プールや畑仕事、俳句、美術など利用者一人一人の生活歴、趣味を生かしながら、自分らしい日常生活を支援している。
 社名、事業所名は、菅原さんが中学、高校時代を過ごしたデンマークで「対話型教育」を実践した教育者で政治家のNFS・グルントヴィ(1783〜1872年)に由来する。
 菅原さんは「利用者、家族、スタッフとの対話の中で培ってきたノウハウやソフトがオフィシャルに評価されたことが何よりうれしい」と話す。地域密着の取り組みが「イノベーション(新機軸、革新)」との評価を得たことを契機に、多世代が共に生きるコミュニティーの実現に弾みをつける考えだ。


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