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【秋田県】

コロナ対応、潜在看護師が経験生かす 秋田県看護協会が後押し

秋田魁新報 2020年9月30日(水)
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 新型コロナウイルスに対応するため秋田県が設置したコールセンターや軽症者向けの宿泊療養施設で、資格を持ちながら現場を離れていた「潜在看護師」が活躍している。4〜8月末までに26人が復職し、経験を生かして業務に当たっている。県や県看護協会は今後の感染拡大に備え、引き続き復職を呼び掛けている。

 「自分も感染してしまうんじゃないか、と最初は不安でした。でも今は、コロナ禍の中でも看護師として役に立てているという実感に変わりました」。5月から県の宿泊療養施設(秋田市山王)に勤務する40代の女性看護師は語る。

 女性は今春、県内の医療機関を退職。少し休みながら転職先を探そうと考えていたが、連日報じられる新型コロナに関するニュースを目にして、「自分にも何かできないだろうか」と考えるようになったという。県職員や大学教授などさまざまな業種の人々と関わりながら感染対策を学び、実践することで、自身のスキルアップにもつながった。

 県外の医療機関を昨年退職した20代女性看護師も、コロナに関する報道を見て復職を決意。5月から療養施設で働き始めた。事前に施設を見学し、業務の安全性や感染対策の徹底ぶりを確認。不安を拭い去ることができたという。

 高齢の同居家族もいるが、理解して応援してくれているという。女性は「病院とは違う特殊な現場。ここでの経験は今後の看護師人生で役に立つと思う」と話した。

 コールセンターや宿泊療養施設に勤務する看護師の確保を担うのが、県看護協会が運営する県ナースセンター(秋田市中通)だ。医療機関で看護部長などを経験した看護師が相談員を務め、潜在看護師に電話やメールで復職を呼び掛けている。報道を見て自らセンターを訪れた人もいたが、ほとんどはこの勧誘により復職したという。

 復職に向けた研修制度もあり、座学のほかに、今年からeラーニングの教材も導入した。

 厚生労働省の「新たな流行シナリオ」を参考にした県の予測によると、ピーク時の感染者は243人で、このうち176人は入院が必要。これに対応するには看護師も増やさなければならず、県看護協会の白川秀子会長(60)は「『役に立ちたい』という使命感を後押しするため、何度も面談を重ねて手厚く支援していく。ぜひ相談に来てほしい」と呼び掛ける。

 復職先は必ずしもコールセンターや宿泊療養施設に限らず、離職期間や希望条件などに合わせて勤務先や働き方を調整するという。

 県が把握する県内の潜在看護師は794人(3月時点)。離職時の届け出に基づいた人数のため、実際の人数はもっと多いとみられる。

 県ナースセンターでは、平日と第2、4土曜の午前9時〜午後4時に来所での相談を受け付けている。メールや電話での相談も可能。県内各地のハローワークで無料相談会も開催している。問い合わせは同センターTEL018・832・8810