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発達障害児支援施設「りんけん」開設半年

天井からつるした感覚統合器具をしっかりと握って姿勢を保つ桃羽さん(左)と中村さん=八戸市、まなび舎りんけん
発達障害のある児童生徒を支援する施設「まなび舎りんけん」(青森県八戸市)が昨年7月の開設から半年が過ぎた。利用している児童に対し、それぞれの特性に応じて作業療法士らが個別に訓練を実施。姿勢を保てるようになったり、情緒が安定してくるなど状態の改善につながっている事例が見られてきている。
りんけんは、青森県はじめ岩手、宮城、福島、新潟各県で医療・介護事業を展開する「SGグループ」の学校法人臨研学舎(五戸町)が運営する。対象は高校生までで、現在は3歳児から小学生までの34人が利用している。スタッフは作業療法士や保育士、児童発達支援管理責任者ら7人。
発達障害があると、平衡感覚や視覚、聴覚、触覚などさまざまな感覚を脳が整理できず、姿勢を保つことや運動、日常生活がうまくできない状態(不適応)が生じる。りんけんは一人一人の課題を検討してプログラムを作り、「感覚統合器具」などを用いて遊びながら適応反応を引き出し、身体・運動、学習、生活面に関する支援をしている。
利用している児童たちの保護者によると「体の傾きが改善した」「言葉が出るようになってきた」「腕や指の力がついた」「椅子に座るのが上手になった」「箸を使えるようになった」「落ち着いてきた」などの変化や、変化の兆しが見えてきたという。
八戸市の宮沢理智さん(49)は、娘の桃羽さん(8)の変化について「さまざまなことに強い不安や恐怖を感じる子だったが、今はそれが薄れてきた。一人でトイレなどにも行けるようになり、友達にも関心を持つようになってきた」と話す。
作業療法士の中村美月さんと小西美智子さんは「子どもたちの力を引き出せるよう、支援内容を広げていきたい」という。りんけん管理者の植嶋平治さん(臨研学舎専務理事)は「子どもたちの成長や利用者の増加に対応できるよう、近隣への施設増設も検討したい」と語った。
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