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【高知県】

「子育て不安あった?」 聴覚障害の両親に子ら質問 高知県内家族のユーチューブ反響

高知新聞 2021年9月9日(木)
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反響を呼んでいるユーチューブ番組の一場面

 両親は聴覚障害者で、自分たちは聞こえる子ども―。そんな家庭で育った県内の3人きょうだいが配信するユーチューブ番組が、反響を呼んでいる。

 「聞こえん状態で子どもを産む不安はあった?」「反抗期はやりたい放題でごめん」。親子だからこそできるストレートなやりとりが視聴者の心に響き、番組の登録者は1900人を超えた。

 耳が聞こえない親を持ち、自分は聞こえる子どもは英語で「コーダ」(CODA=「Children Of Deaf Adults」の略)と呼ばれる。3人のコーダは言う。

 「理解までいかなくてもコーダのことを知ってほしい。そして誰かの心が楽になれば」

笑いと涙 「家族愛」発信 障害者の本音 共感広がる
 聴覚障害の両親を持つ3人きょうだいのユーチューブ番組は昨年5月、配信が始まった。長男で理容師の藤田康寛さん(37)=土佐市=と、次男で保育士の直樹さん(35)=高知市=が出演。長女で2人の姉(39)がカメラマンを務め、さまざまな体験を、笑いあり、涙ありの内容で伝える。

 3人は難聴の父(65)と、幼少期に薬害で聴力を失った母(65)の下で育った。両親に「三本の矢で支え合って」と言われてきたが、「やんちゃもして。まっすぐの矢じゃなくて曲がった爪だった」と直樹さん。三つの爪(スリークローズ)から「すりくろ」と銘打ったユーチューブを立ち上げ、高知の面白スポットの紹介などをしてきた。

 「コーダ」(親が耳が聞こえず自分は聞こえる子ども)を意識して発信するようになったのは数カ月たってからだった。

 親との手話を友達に冷やかされるのは、コーダの多くに共通する体験。ある回でこの話題を語った康寛さんは悔し涙を流し、同じ立場の子どもに向けて「乗り越えろ。あなたの両親は最高だ」と激励した。これに「もらい泣きした」「どんな教科書よりも素晴らしい」などのコメントが届き、「ありのままの姿を発信すればいいんだと気付いた」。

 以降、ろう者のスポーツチームや手話サークルなどを取材し、週に1回、10分ほどの番組を公開。字幕を入れた上で手話で伝えることもあり、登録者数は2千人近くとなった。

 ◇ 

 中でも評判を呼んだのは今年3月、両親に手話で行ったインタビュー企画「聞こえない両親に結婚・子育てを聞いた」。直樹さんは「親子だから遠慮なく聞けた」と話す。

 父は家族に障害者同士の結婚を反対されながらも「結婚するのは僕や」と意志を貫き、理容師として家庭を必死で支えてきた思い出を語った。母は「夜泣きしたら気付けるろうか。窒息死させんろうか」と、不安だった子育てを振り返った。

 包み隠さない告白に、視聴した障害者から「私たちも結婚を反対された。子どもの心配までされた」「もがいて努力した先輩の存在は大きな道しるべ」といったコメントが相次ぎ、両親も「あなたたちの発信には意味がある」と喜んでくれた。

 番組では、差別や偏見にも正面から向き合う。子どもの頃、「ろう者が育てると『言葉が遅くなる』」と言われたこと、けんかをした相手の親から「聞こえん親に育てられたき、しつけが悪い」と責められたこと…。それに対して、「僕たちも今は父親なので」と率直な思いを語る。

 ◇ 

 そんな番組のコメント欄に、聴覚障害のある母親からこんな声が届いた。「息子に『一度でもいいから僕の声が聞こえたらいいのに』と言われ、心がちくっと痛んだ」

 直樹さんはこのコメントに「愛情深いお子さんに育ってますね」と返信した。というのも、自身も幼い頃、母に「僕の耳を一つあげる。そしたら僕の声が聞こえる?」と言って困らせたことがあったから。「僕も母を傷つけたけど、母への大きな愛しかない」

 直樹さんは「後で知ったけど、3人とも母に『耳をあげる』と同じことを言ってた。さすがきょうだいって感じですよね」と笑った。(村瀬佐保)


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