
加藤さん(右)から弁当を受け取り、会話を交わす女性=日進市内で
愛知県日進市折戸町のデイサービス「なごみの家」では10月から、スタッフが高齢者宅への配達時に見守りも行う配達料無料の弁当販売を始めた。コロナ禍で家にこもりがちになっている高齢者とちょっとした会話を楽しんだり、安否確認をしたりするため原則手渡し。1人暮らしや高齢夫婦を中心に利用者が広がっている。
同施設で働く介護福祉士の加藤美紀さん(40)は、利用者や家族から「帰ってからご飯を作るのが大変」「何を食べさせていいか分からない」など多くの声を聞いてきた。そこで見守り事業も兼ねて、弁当の販売と配達を提案。1日平均20個ほどが売れているという。
市内に住む1人暮らしの女性(83)は、弁当を週5日頼んでいる。加藤さんとはすっかりうち解け、おしゃべりも楽しそうだ。近くに住む親族の女性(51)は「1日3度の食事の支度が一番難しい。本人は施設はいやだと言うので、栄養面も安心で、見守りもしてくれるサービスは本当にありがたい」と感謝する。
施設を運営する「さくら」社長の中島五郎さん(48)は「介護はまだ必要ではないが、交通手段がないなどして買い物に行けない人たちにとって、食事はとても大事な問題。そこを支援できればと思った」と話す。
配達は月曜−金曜の午後5〜6時。おかずのみ(税込み450円)と白米付き(同500円)があり、肉と魚からメインを1つ選べる。配達エリアは原則日進市内で、高齢者だけでなく、育児中の家庭や市外からの利用は相談に応じる。
弁当の申し込みは当日午後3時まで。(問)なごみの家=090(3855)2191
(平木友見子)