
要支援者役のお年寄りの避難をサポートする雲水や永平寺町消防団員=6月27日、福井県吉田郡永平寺町の大本山永平寺
福井地震から74年となる6月28日を前に、福井県永平寺町の曹洞宗大本山永平寺一帯で27日、地震を想定した避難訓練が行われた。地元住民や雲水ら約80人が要支援者役のお年寄りの避難をサポートするなど、万一に備えた体制を確認した。
町防災安全課によると、大本山永平寺は地元の志比区住民の一時避難所となっている。今回は住民に避難場所の意識付けを図ることなどを狙いに、同寺と同区、町消防本部が連携し約5年ぶりに訓練を実施した。
地震発生のサイレンを合図に、住民らは門前にある土産物店駐車場に集合。安否を確認した後、寺の大講堂に避難した。けがなどで自力で避難できないと想定したお年寄りの自宅へは雲水や住民、町消防団員らが駆け付け、車椅子や担架を使って寺へ搬送した。
訓練の総括で、同寺の原田光則(こうそく)副監院は「災害は予測できない。助け合いが大切だ」と引き続き地元区と協力することを強調。同区長で同区自主防災組織会長の富田新治さんは「行政防災無線が聞こえにくい場所があったので改善する必要がある。いつ何が起きても対処できるようにしたい」と話した。