
スマホを使い、ズームを体験するカフェの参加者
広島県福山市は6日、認知症カフェや、体操、交流サロンなど高齢者の「通いの場」のオンライン開催を支援するモデル事業を始めた。新型コロナウイルスの影響で休止が相次いでいるため。連携協定を結ぶソフトバンク(東京)の協力で、ビデオ会議システム「ZooM(ズーム)」の使い方を実施団体に学んでもらう。
この日、福山すこやかセンター(三吉町南)で「家族の会カフェすまいる」があり、11人が集まった。同社スタッフたちの指導でスマートフォンの操作を学んだ後、ズームを体験。「みんなの声が聞こえる」「顔が見える」などと感想を言いながら、マイクや手を挙げる機能などを試した。
カフェを開く福山地区認知症の人と家族の会の服部寛治世話人代表(79)は「操作は難しいが、ズームの活用にも挑戦したい」と話していた。
モデル事業は同カフェを含む4団体が参加。11月下旬にかけて、ズームを使った運営のノウハウを学ぶ。
市高齢者支援課によると、新型コロナ流行前は市内の認知症カフェが28カ所あったが、ことし9月末は19カ所に減っている。同課は「なんとか元の水準に戻したい。事業を通じて参加者の声を聞き、デジタル技術を使った支援のあり方を探りたい」としている。(江川裕介)