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【青森県】

バスを改造、移動式こども食堂5月始動/十和田

東奥日報 2020年5月1日(金)
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改造した大型バス車内。イベント当日の食事はできないが、キッチンや食事のできるテーブルを備え付けている=26日、十和田市

 青森県十和田市や近隣自治体の有志で組織する「十和田こども食堂実行委員会」が、5月5日にデビューする移動式「こども食堂」の準備を進めている。クラウドファンディング(CF)の資金をもとに中古の大型バスを購入した。当初は市内で食事を提供する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で食材の無料提供に変更。実行委委員長の水尻和幸さん(43)は「(コロナが終息したら)温かい食事を届け、子どもを笑顔にする支援をしていきたい」と意欲を膨らませている。

 水尻さんが知人の弁護士から子どもの孤食や貧困化の深刻さを聞いたことをきっかけに有志が集まり、2019年1月に実行委が発足した。25人ほどの有志は、昨年のこどもの日を皮切りに、地域に出向いてこども食堂を展開。うどん作りやクリスマスパーティーなど親子で体験できるイベントを通し、温かい食事を無料提供してきた。

 欲しい人にすぐに届けられるシステムをつくりたい−。活動を続ける中で、食堂への移動手段のない子どもがいる現状を知った。水尻さんは「足を運べない子の元に自分たちが届けられるようにしたい」と実行委で昨年12月、「『食』で咲かせよう! こどもたちの笑顔の花」をキャッチフレーズにCFで200万円の資金を募集した。開始15日目で目標を達成。金額を2度再設定し、募集期間の20年1月末までに支援者133人から412万円が集まった。

 実行委は、想定していた中型バスを大型(61人乗り)に変更した上で、大型テントも購入。多くの子どもに提供できる環境を整えた。車内を改造し4テーブルを設け、16人が一度に食事できるスペースを確保。キッチンにIHクッキングヒーターや冷蔵庫、電子レンジといった調理設備を備えたほか、子どもたちが楽しめるよう絵本を収めるライブラリーも取り付けた。

 バスを活用した初の活動となる5月5日のこども食堂は、当初テントを立ててバス内で調理したカレーライスを振る舞う予定だったが、米と具材、カレールーの提供に予定を変更。「3密」を避けるため、車内での提供はせず、ドライブスルー形式で手渡しする。

 場所は十和田市西二番町の十和田署中央交番北側駐車場。午前10時〜午後3時に5人前1セット計80セットを提供する。同市在住の中学生以下の子どもが対象で、事前予約が必要。当日の混雑を避けるため、来場者には事前に時間を案内し、感染予防の観点からできるだけ少人数で来場することを条件に加えている。

 26日にメンバーら5人がリハーサルを行った。水尻さんは食堂バス内での振る舞いがかなわないもどかしさを感じながらも「コロナが終息したら、青森各地の子どもたちの元に行き、食事を提供したい」と今後への意欲を口にした。

 活動への支援は随時受付中。5日のこども食堂は、フェイスブックの「十和田こども食堂実行委員会」でも紹介している。予約、問い合わせは実行委事務局(電話0176-27-1815)へ。