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【青森県】

ひとり親世帯さらに困窮 / 県母連アンケート

東奥日報 2020年5月20日(水)
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「厳しい家計の中でも、子どもたちにはしっかりとした学習の機会を与えたい」と語る佐藤さん(仮名、左)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、青森県内のひとり親家庭の生活困窮がさらに深刻になっている。県母子寡婦福祉連合会(県母連)が実施したアンケートでも「仕事ができず、収入減となり、家賃を払えない」「子どもの教材費の出費が厳しい」と訴える声が複数寄せられている。関係者は「ひとり親家庭は非正規雇用が多く、経済環境悪化の影響を受けやすい。幅広い支援が必要」と訴える。

 「2人の娘が自立するまで、自分が死ぬとか、働けなくなるとか、考えられないし、考えたくもない。ただ、常に不安を感じている」

 津軽地方に住む佐藤聡美さん(仮名、40代)は今月中旬、東奥日報に打ち明けた。中学生と小学生の2人の娘を養っている佐藤さんは、掛け持ちしていた二つの仕事のうち、新型コロナウイルスの影響で販売の仕事がなくなったという。

 以前は平日に訪問介護ヘルパー、土日に商業施設でのイベント・販売業務に携わり、休みなしで働いていた。しかし、2月末から、感染防止のため商業施設での対面の接客ができなくなり、事実上ヘルパーの仕事だけに。収入は15万円から10万円に減った。

 月3万円に抑えていた食費は3〜4月の休校中、給食がなくなった分、月4万5千円に膨らんだ。

 精神的な不安から、佐藤さんの家での飲酒量が次第に増え、子どもたちに言葉でつらく当たる機会も増した。「アルコール依存じゃない?」と娘に言われ、はっとわれに返った。弘前市の病院で3月、多量飲酒の背景に、うつ病があると診断された。

 5月の学校再開後、学校の教材費を支払えなかったため、長女にワークやドリルなどの教材が渡らず、つらい思いをさせてしまった。

 娘と他の子どもとの間に学力の差が出るのではないかと焦りが募る。以前は、学習支援を受けられる弘前市内の子ども食堂に足を運んだこともあったが、今はコロナの影響で子ども食堂は休止している。休館中の公民館などで「3密」を避けながら、学習指導を受けられる機会があればと願う。

 県母連が3月、県内のひとり親家庭を対象にLINEを利用して、新型コロナウイルスの影響についてアンケートを実施したところ(19人回答)、「仕事ができず、収入減となり、家賃を払えない」との回答や「子どもの教材費の出費が厳しい」「休校によって食費が増えた」と訴える声が複数あった。秋田谷洋子会長は「収入減、子どもの教育機会の確保、休校時の子どもの預け先など複数の悩みが複合的に重なり、不安となっている。ひとり親家庭は非正規雇用が多く、身分も不安定なので、学校、地域、行政など幅広い支援が必要」と語る。