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【石川県】

重度障害者に在宅ケアを 金沢の事業所が人材養成開始

中日新聞 2019年1月16日(水)

たんの吸引を教える医師の野口晃さん(左)=昨年12月、金沢市窪の凪のいえで

 重度身体障害者の在宅医療ケアができる介護職員が北陸で不足する中、石川県金沢市窪(くぼ)の訪問看護事業所「凪(なぎ)のいえ」が、昨年12月から人材養成の研修を始めた。「病院で一生を過ごすのではなく、外の世界で自分の人生を生きたい」。こうした訴えに、代表の西田まち子さん(67)が動かされた。これまでに石川県小松市や富山市の5人が受講した。(蓮野亜耶)

 「ごめんなさい。力になりたいけれど、スタッフがいないんです」

 西田さんは2年前、全身の筋肉が徐々に衰える筋ジストロフィー患者やその家族から医療ケアを含む看護の依頼をされても、断り続けるしかなかった。患者たちは在宅での生活を望んでいたが、胃にチューブで栄養を注入する胃ろうや、たんの吸引ができるスタッフが足りなかった。

 「いろんなつてを頼ってなんとか私たちに連絡をくださったけれど、協力できず、申し訳なくて申し訳なくて…」。西田さんは研修の開催を決めた理由をこう振り返る。

 2012年の法改正によって、介護福祉士やホームヘルパーでも、事業所や都道府県が主催する「喀痰(かくたん)吸引等研修」で医師と看護師から学べば、医療ケアをできるようになった。石川県で医療ケアを認められた介護職員は昨年4月時点で、全国34位の1362人。富山県は397人で全国で最も少なく、北陸では現状、ケアを受けられない患者が大勢いる。

 研修には、医療ケアの内容と対象者に応じて第1〜3号があるが、西田さんは人材不足の解消を急ぐため、限られたケアを最短で学ぶ「第3号研修」を開くことにした。

 昨年12月初旬。凪のいえに医師や看護師を招き、初めて研修をした。寝たきりになった人の症状の特徴、胃ろう、吸たんの方法を教えた。人体模型の口の中に管を入れ、唾液を吸い取る実技も練習した。

 今後は開催の要望があれば随時開いていく。初研修で講師を務めた「かがやきクリニック」(金沢市疋田)の医師野口晃さん(50)は「在宅で最期を迎える高齢者も増えていく中、医療行為ができるスタッフのニーズは大きい」と意義を語る。

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