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【熊本県】

愛に包まれ20歳へ 養護施設出身の新成人、晴れ着姿で記念撮影

熊本日日新聞 2021年2月16日(火)
愛に包まれ20歳へ 養護施設出身の新成人、晴れ着姿で記念撮影

新成人らの晴れ着姿を写真に残す「KIMONOプロジェクト」に参加し、撮影に向かう坂田妙和さん(右から2人目)=13日、熊本市中央区

 「20歳まで生きててよかった」−。児童養護施設などで育ち、成人を迎えた熊本県内の若者たちが13日、熊本市中央区の水前寺成趣園で写真撮影に臨んだ。親の愛を知らずに育ったという女性は、ボランティアらの祝福を受け、晴れやかに大人の第一歩を踏み出す姿を写真に残した。

 社会的養護が必要な若者の支援に取り組む熊本市のNPO法人「トナリビト」(山下祈恵代表)の撮影会「KIMONOプロジェクト」。経済的な事情などで晴れ着を着られなかった若者たちに、写真と思い出を贈ろうと初めて企画した。初回の11日は男女6人、13日は女性3人が参加。3月13日にも予定している。

 新成人の着付けやヘアメーク、写真撮影などはSNSでの呼び掛けに賛同したボランティアが担当。この日は約20人が集まった。

 介護関係の仕事をしている坂田妙和[みわ]さん(20)=玉名市=は、和装に合うメークを施してもらい、変わっていく自分の表情に照れ笑い。着付けを終え、白地にピンクと黒の古典柄の振り袖姿で現れると、ボランティアから「かわいい!」と歓声と拍手が湧いた。

 会場では、居合わせたアマチュアカメラマンら大勢の人に囲まれ、注目の的に。撮影が進むと徐々に緊張した面持ちがほぐれ、笑みがこぼれた。

 坂田さんは0歳から施設で暮らし、児童養護施設や里親の元などを転々としてきた。小学校の授業参観では、クラスメートの親の顔が並ぶ中、自分だけは「施設の先生」で寂しい思いをした。孤独で眠れない夜を重ね、死にたいと思ったこともあったという。

 「20年間、つらいことばかりだったけど、こんなに多くの人に祝福されて、本当にうれしい」と坂田さん。将来は、施設の子どもたちと関わる仕事に就きたいと言う。「寂しい思いをしている子どもたちを支えたい。施設育ちの私だからこそ、できることがある」と力強く語った。(福井一基)

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