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【熊本県】

「ダブルケア」悩み相談を 荒尾市・黒崎さんがオンラインカフェ 育児と介護、解決策の一助に

熊本日日新聞 2021年7月29日(木)
「ダブルケア」悩み相談を 荒尾市・黒崎さんがオンラインカフェ 育児と介護、解決策の一助に

「一人で抱え込まずに相談して」と呼び掛ける黒崎麻子さん=荒尾市

 育児と介護が重なる「ダブルケア」の当事者が悩みを共有するオンラインカフェを8月、熊本県荒尾市の主婦黒崎麻子さん(42)が開設する。ダブルケア経験者でもある黒崎さんが解決策をともに考え、苦しむ当事者の一助とする試み。「一人で抱え込まず、気軽なおしゃべり感覚で相談してほしい」と参加を呼び掛けている。

 黒崎さんは幼稚園教諭として働いていた2011年、義母の体調悪化を機に退職。翌年に長男(9)、続けて次男(6)を出産した。18年9月に義母を亡くしたが、19年春からは酸素吸入が必要な義父(83)を在宅介護している。

 当初、育児と介護の両立に苦闘する日々が続き、自らが「何もない存在」と思えるような苦しみも味わった。こうした経験を、同じような境遇の当事者に伝えるため、18年にツイッターで4こま漫画「ダブルケアあるある」の掲載を始めた。かわいらしい漫画と飾らない言葉で実体験を表現。これまでに約300本を描き上げた。

 漫画を描くことで痛みを分かちあう充実感は感じたものの、「根本的な悩みの解決にはつながりにくい」との思いが芽生えたという黒崎さん。プライバシーに配慮して1対1で語り合うカフェ開催を発案。18年4月に経験者でつくる「ダブルケア熊本」を設立してから準備を進めてきた。

 「気軽に話せる環境をつくり、専門機関への橋渡しなどさまざまな選択肢を提示する入り口のような存在になりたい」と話す。

 ダブルケア問題に詳しい横浜国立大の相馬直子教授(福祉社会学)は「行政の相談窓口がばらばらで利用者がたらい回しになるケースも多い。育児と介護の両方をサポートできる枠組みを行政が整備するべきだ」と指摘する。

 内閣府調査(16年)によると、ダブルケアに直面している人は全国に約25万人と推計。相馬教授は30〜50代にとって、ダブルケアが自分事の問題になりつつあるとして「行政や地域住民など多くの人が関わり合い、サポートするネットワークづくりが有効」とみる。

 黒崎さんは今後、ダブルケア熊本の仲間を増やし、オンラインカフェを2カ月に1度ほど開催していく考え。「ダブルケアは多くの人の助けと理解がなければ乗り切れない。介護と育児が同時期に訪れたとしても、少しでも気持ちを楽にできる社会にしていけたら」と話している。

 申し込みはメールで。tanpopo.laion2018@gmail.com(樋口琢郎)

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