食品ロスの問題を解消し、生活困窮者支援につなげる

静岡市のNPO法人フードバンクふじのくにでは、活動の立ち上げ段階でWAM助成を活用し、地域の行政や社会福祉協議会、企業、労働関係団体などと連携して、いまでは静岡県下のほとんどの地域を対象にフードバンク事業を展開しています。
皆さんの気持ちを地域の連携で大切に活かす
フードバンクふじのくにでは、前年度から試行をはじめていたフードバンク事業を、平成26年度のWAM助成を活用して事業として確立し、定着させました。
地元の労働関係団体や県生協連合会などと連携し、食品関係企業やスーパーなどにお願いして、まだ安全に食べられるが外箱の破損や印刷ミスなどで商品として出荷できなくなった食品を寄付として預かります。そして、お中元やお歳暮などで食品が集まりやすい時期に、「フードドライブ」という寄付のキャンペーンを行い、個人のお宅を廻って不要となった食品の寄付をいただきます。また、時には企業の防災備蓄品の入れ替えなども積極的に預かるなど、様々なシーンで生まれる食品の無駄やゴミ、廃棄費用などを減らすことにも貢献しています。こうして集まった食品を賞味期限や保管方法などに注意を払い、品質管理に万全を期します。
そして、静岡県下の各地の福祉事務所や社会福祉協議会、生活困窮者支援団体などと連携を結び、食料品の支援が必要な皆さんのもとへ行き渡らせます。こうした地域の協力機関が各家庭の状況を把握しており、フードバンクふじのくにから引き継いだ食品を、それぞれの家庭の事情に合わせて有効に配布していきます。家族の人数だけでなく、家族構成や年齢、食物アレルギーの情報などにも考慮して配布する食品を組み合わせるなど、温かみのある支援を展開しています。
徹底した品質管理と運営の透明性確保が信用につながる
この取組みを進めていく上で、徹底した品質管理と運営の透明性確保が非常に重要となります。食品を取り扱う以上、衛生や安全性の担保が重要なのは当然ですが、食品を提供する側の企業や商店、家庭などに「そこまで徹底した品質管理をしているなら、安心してうちの商品をお任せできる」と信頼してもらうことが、活動の継続には欠かせません。フードバンクふじのくにでは、こうした品質管理と団体や活動の透明性確保を常に第一に考え、信頼を積み重ねながら、今では静岡県内23市町村でフードバンクによる支援ネットワークを広げてきました。
地域のみんなが無理なく参加できる支援の仕組み
地域の企業や商店をはじめ、行政、社会福祉協議会などとも緊密に連携し、困窮状態に陥っている方をこうした支援で支え合うことで、生活保護の対象となる前の段階で生活を立て直し、再び就労や社会参加へ向かうことが出来る方がたくさんいます。

そして、企業などの側にとっても、廃棄物の発生や廃棄費用を抑制できるだけでなく、福祉活動に貢献できるという点で新たなCSR の形としても注目されています。
「不要となった食品を持ち寄って、支援のために活用しよう」という、分かりやすく、誰もが参加できる支え合いの新しい形として、各地でその地域ごとの特性を活かしながらますます拡がっていくことが期待されます。
「もったいない」を「ありがとう」に変えて活かしていこう!と、今日も事務局や連携団体の皆さんが静岡県の各地を奔走されています。
<< 法人概要 >>
法人名 | 特定非営利活動法人 フードバンクふじのくに | ||
理事長 | 日詰 一幸 氏 | 事務局長 | 望月 健次 氏 |
主な事業 | フードバンク事業/啓発事業/調査、研究事業 | ||
設立時期 | 平成25年 | 職員数 | 6人(平成26年4月現在) |
電話 | 054-248-6177 | FAX | 054-248-6178 |
URL | http://fb-fujinokuni.org/ |