老振第73号
平成12年11月16日
改正:平成17年老振発第1219001号
平成18年老振発第1201001号
各都道府県介護保険主管部(局)長 殿
厚生省老人保健福祉局振興課長
介護保険制度下での介護サービスの対価にかかる医療費控除の取扱いに係る留意点について
介護保険制度下での介護サービスの対価に係る医療費控除の取扱いについては、国税庁への照会文書(平成12年6月1日老発第508号及び老発第509号)及び国税庁からの回答文書(平成12年6月8日課所4−8及び課所4ー10)(以下これらを「医療費控除通知」という。)により取扱いを示したところであるが、居宅サービス計画の作成等に当たっては、利用者が医療費控除を受けるための確定申告の際の便宜等を考慮して、下記のように取り扱うのが適当であると考える。
また、併せて、介護老人保健施設における医療費控除の取扱いについても、下記の点に留意いただくよう、貴都道府県内市(区)町村、関係事業者に対する周知方をお願いする。
なお、「老人保健施設の利用料に係る医療費控除の適用について」(昭和63年5月6日健医老老第35号 厚生省保健医療局老人保健部老人保健課長通知)は廃止することとする。
記
1 居宅介護支援事業者の居宅サービス計画の作成及び居宅介護サービス事業者等の領収証の交付に係る取扱いについて
(1)居宅介護支援事業者の居宅サービス計画の作成に当たっての留意点
訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション又は短期入所療養介護(以下「訪問看護等の居宅サービス」という。)と併せて、訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、短期入所生活介護、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護又は小規模多機能型居宅介護を利用する利用者に係る居宅サービス計画の作成に当たっては、主治の医師等の指示を確認した上で、居宅サービス計画に訪問看護等の居宅サービスを位置付ける必要があるが、居宅サービス計画には、介護保険による保険給付に係る適切な実績管理を行う必要性に鑑み、支給限度額の設定のない居宅療養管理指導や、老人保健法及び医療保険各法(以下「老人保健法等」という。)により給付が行われる訪問看護については、必ずしも記載を要しないこととしているところである。
一方、居宅介護サービス事業者等(訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、短期入所生活介護、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護又は小規模多機能型居宅介護のサービスを提供する事業者をいう。以下同じ。)は、利用者に交付する領収証の「医療費控除の対象となる金額」の記載に当たっては、当該利用者の居宅サービス計画に、訪問看護等の居宅サービスが位置付けられていることを確認した上で、サービス提供票(兼居宅サービス計画)に基づき記載することとなるが、訪問看護等の居宅サービスのうち、居宅療養管理指導又は老人保健法等による訪問看護のみの利用者については、これらのサービスが必ずしもサービス提供票(兼居宅サービス計画)に記載されているとは限らないことから、これらのサービスの利用の有無を確認できない場合がある。
このため、居宅介護サービス事業者等において、居宅療養管理指導又は老人保健法等による訪問看護の利用の有無の確認が行えるようにするため、居宅介護支援事業者は、次のいずれかの方法により、居宅介護サービス事業者等に連絡することとする。
ア.居宅介護支援事業者は、居宅療養管理指導又は老人保健法等による訪問看護を居宅サービス計画に位置付けた場合には、サービス提供票(兼サービス計画)の欄外等にこれらのサービスの利用の内容(利用予定日、事業者名等)を記載の上、当該サービス提供票(兼サービス計画)を居宅介護サービス事業者等に交付する。
イ.居宅介護支援事業者は、利用者に対して、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第4号及び第10号に基づき、保険給付対象外サービスについても、居宅サービス計画に位置付けるとともに、サービス利用票又は週間サービス計画表等に保険給付対象分とは区分し保険給付対象外の費用を記載の上、利用者負担額等について説明を行い同意を得る必要がある。この同意を得た当該サービス利用票又は週間サービス計画表等により、居宅介護サービス事業者等に対し、利用者が居宅療養管理指導又は老人保健法等による訪問看護を受ける旨の通知をする。
また、小規模多機能型居宅介護事業者が居宅サービス計画を作成する場合にあっても、医療費控除通知の要件と同様の考え方に基づき、医療費控除の対象となるところであり、この場合にあっても、上記ア又はイに準じて行うこととする。
なお、自己作成による居宅サービス計画にあっても利用者が市町村にあらかじめ居宅サービス計画を届け出た場合においては、医療費控除通知の要件を満たす場合には医療費控除の対象となるところであり、この場合にあっても、上記ア又はイに準じて、利用者が居宅療養管理指導又は老人保健法等による訪問看護の利用について、必要事項を記載し、市(区)町村に届出を行った上で、居宅介護サービス事業者等に送付することとする。
(2)領収証の記載
介護保険法(平成9年法律第123号)第41条第8項(第42条の2第9項において準用する場合を含む。)に定めるところにより、居宅介護サービス事業者等は利用者から利用料の支払いを受けた都度、領収証を交付する必要があることに留意する。
したがって、様式例では月でまとめたものを示しているが、居宅介護サービス事業者等は利用料の支払いを受けた都度、領収証を交付する必要があるものであり、この場合においても医療費控除の対象となること。
2 介護予防支援事業者の介護予防サービス計画の作成及び介護予防サービス事業者等の領収証の交付に係る取扱いについて
(1)介護予防支援事業者の介護予防サービス計画の作成に当たっての留意点
介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防通所リハビリテーション又は介護予防短期入所療養介護(以下「介護予防訪問看護等の介護予防サービス」という。)と併せて、介護予防訪問介護、介護予防訪問入浴介護、介護予防通所介護、介護予防短期入所生活介護、介護予防認知症対応型通所介護又は介護予防小規模多機能型居宅介護を利用する利用者に係る介護予防サービス計画の作成に当たっては、主治の医師等の指示を確認した上で、介護予防サービス計画に介護予防訪問看護等の介護予防サービスを位置付ける必要があるが、介護予防サービス計画には、介護保険による保険給付に係る適切な実績管理を行う必要性に鑑み、支給限度額の設定のない介護予防居宅療養管理指導や、老人保健法等により給付が行われる訪問看護については、必ずしも記載を要しないこととしているところである。
一方、介護予防サービス事業者等(介護予防訪問介護、介護予防訪問入浴介護、介護予防通所介護、介護予防短期入所生活介護、介護予防認知症対応型通所介護又は介護予防小規模多機能型居宅介護を提供する事業者をいう。以下同じ。)は、利用者に交付する領収証の「医療費控除の対象となる金額」の記載に当たっては、当該利用者の介護予防サービス計画に、介護予防訪問看護等の介護予防サービスが位置付けられていることを確認した上で、サービス提供票(兼介護予防サービス計画)に基づき記載することとなるが、介護予防訪問看護等の介護予防サービスのうち、介護予防居宅療養管理指導又は老人保健法等による訪問看護のみの利用者については、これらのサービスが必ずしもサービス提供票(兼介護予防サービス計画)に記載されているとは限らないことから、これらのサービスの利用の有無を確認できない場合がある。このため、介護予防サービス事業者等において、介護予防居宅療養管理指導又は老人保健法等による訪問看護の利用の有無の確認が行えるようにするため、介護予防支援事業者は、次のいずれかの方法により、介護予防サービス事業者等に連絡することとする。
ア.介護予防支援事業者は、介護予防居宅療養管理指導又は老人保健法等による訪問看護を介護予防サービス計画に位置付けた場合には、サービス提供票(兼サービス計画)の欄外等にこれらのサービスの利用の内容(利用予定日、事業者名等)を記載の上、当該サービス提供票(兼サービス計画)を介護予防サービス事業者等に交付する。
イ.介護予防支援事業者は、利用者に対して、指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第37号)第30条第4号及び第10号に基づき、保険給付対象外サービスについても、介護予防サービス計画に位置付けるとともに、サービス利用票又は週間サービス計画表等に保険給付対象分とは区分し保険給付対象外の費用を記載の上、利用者負担額等について説明を行い同意を得る必要がある。この同意を得た当該サービス利用票又は週間サービス計画表等により、介護予防サービス事業者等に対し、利用者が介護予防居宅療養管理指導又は老人保健法等による訪問看護を受ける旨の通知をする。
また、介護予防小規模多機能型居宅介護事業者が指定介護予防サービスの利用に係る計画を作成する場合にあっても、医療費控除通知の要件と同様の考え方に基づき、医療費控除の対象となるところであり、この場合にあっても、上記ア又はイに準じて行うこととする。
なお、自己作成による指定介護予防サービスの利用に係る計画にあっても利用者が市町村にあらかじめ当該指定介護予防サービスの利用に係る計画を届け出て、市町村が当該指定介護予防サービスの利用に係る計画を認めた場合においては、医療費控除通知の要件と同様の考え方に基づき、医療費控除の対象となるところであり、この場合にあっても、上記ア又はイに準じて、利用者が介護予防居宅療養管理指導又は老人保健法等による訪問看護の利用について、必要事項を記載し、市(区)町村に届出を行った上で、介護予防サービス事業者等に送付することとする。
(2)領収証の記載
介護保険法第53条第7項及び第54条の2第9項において準用する同法第41条第8項に定めるところにより、介護予防サービス事業者等は利用者から利用料の支払いを受けた都度、領収証を交付する必要があることに留意する。
したがって、様式例では月でまとめたものを示しているが、介護予防サービス事業者等は利用料の支払いを受けた都度、領収証を交付する必要があるものであり、この場合においても医療費控除の対象となること。
3 介護老人保健施設における留意点
(1)医療費控除の対象範囲
介護老人保健施設において要した費用に係る医療費控除の対象範囲については、介護保険法施行前の老人保健施設における取扱いと同様であり、具体的には次の費用が対象となるものであること。
ア.施設介護サービスのうち、食事の提供及び居住以外のサービスの提供に係る自己負担額
イ.介護老人保健施設が行う訪問看護等の居宅サービス及び介護予防訪問看護等の介護予防サービス並びに医療費控除通知の要件を満たす居宅サービス及び介護予防サービスの提供に係る自己負担
ウ.食費に係る自己負担額(介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第11条第3項第1号及び第42条第3項第1号に掲げる食事の提供に要する費用)
エ.居住に係る自己負担額(介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準第11条第3項第2号及び第42条第3項第2号に掲げる居住に要する費用)
(2)領収証の記載
ア.介護老人保健施設については、利用者に対して交付する領収証において、当該施設が介護老人保健施設であるか否かの判別がつかない場合があるため、施設の名称に加えて当該施設が「介護老人保健施設」である旨を明記すること。(例「介護老人保健施設○○苑」))
イ.領収証の利用料の記載に当たっては、医療費控除対象額が明らかになるようにするため、(1)のア〜エなどの区分ごとにその金額を記載すること。
なお、可能な限り利用者の利便に資するよう、医療費控除の合計対象額を記載するよう努めること。