○厚生省令第三十九号  介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第八十八条第一項及び第二項の規定に基づき、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準を次のように定める。   平成十一年三月三十一日                                      厚生大臣 宮下 創平    指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 目次  第一章 基本方針(第一条)  第二章 人員に関する基準(第二条)  第三章 設備に関する基準(第三条)  第四章 運営に関する基準(第四条−第三十七条)  附則    第一章 基本方針  (基本方針) 第一条 指定介護老人福祉施設は、施設サービス計画に基づき、可能な限り、居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入浴、排せつ、食事等の介護、相談及び援助、社会生活上の便宜の供与その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立って指定介護福祉施設サービスを提供するように努めなければならない。 3 指定介護老人福祉施設は、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い 、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、居宅介護支援事業者(居宅介護支援事業を行う者をいう。以下同じ。)、居宅サービス事業者(居宅サービス事業を行う者をいう。)、他の介護保険施設その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。    第二章 人員に関する基準  (従業者の員数) 第二条 介護保険法(平成九年法律第百二十三号。以下「法」という。)第八十八条第一項の規定による指定介護老人福祉施設に置くべき従業者の員数は、次のとおりとする。ただし、入所定員が四十人を超えない指定介護老人福祉施設にあっては、他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当該指定介護老人福祉施設の効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、第四号の栄養士を置かないことができる。  一 医師 入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数  二 生活相談員 入所者の数が百又はその端数を増すごとに一以上 三 介護職員又は看護婦、看護士、准看護婦若しくは准看護士(以下「看護職員」という。)   イ 介護職員及び看護職員の総数は、常勤換算方法で、入所者の数が三又はその端数を増すごとに一以上   とすること。 ロ 看護職員の数は、次のとおりとすること。 @ 入所者の数が三十を超えない指定介護老人福祉施設にあっては、常勤換算方法で、一以上 A 入所者の数が三十を超えて五十を超えない指定介護老人福祉施設にあっては、常勤換算方法で、二    以上 B 入所者の数が五十を超えて百三十を超えない指定介護老人福祉施設にあっては、常勤換算方法で、    三以上 C 入所者の数が百三十を超える指定介護老人福祉施設にあっては、常勤換算方法で、三に、入所者の    数が百三十を超えて五十又はその端数を増すごとに一を加えて得た数以上 四 栄養士 一以上 五 機能訓練指導員 一以上 六 介護支援専門員 一以上(入所者の数が百又はその端数を増すごとに一を標準とする。) 2 前項の入所者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規に指定を受ける場合は、推定数による。 3 第一項の常勤換算方法とは、当該従業者のそれぞれの勤務延時間数の総数を当該指定介護老人福祉施設において常勤の従業者が勤務すべき時間数で除することにより常勤の従業者の員数に換算する方法をいう。 4 指定介護老人福祉施設の従業者は、専ら当該指定介護老人福祉施設の職務に従事する者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。 5 第一項第二号の生活相談員は、常勤の者でなければならない。 6 第一項第三号の看護職員のうち、一人以上は、常勤の者でなければならない。 7 第一項第五号の機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能を改善し、又はその減退を防止するための訓練を行う能力を有すると認められる者でなければならない。 8 第一項第五号の機能訓練指導員は、当該指定介護老人福祉施設の他の職務に従事することができる。 9 第一項第六号の介護支援専門員は、専らその職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、入所 者の処遇に支障がない場合は、当該指定介護老人福祉施設の他の職務に従事することができる。    第三章 設備に関する基準  (設備) 第三条 指定介護老人福祉施設の設備の基準は、次のとおりとする。  一 居室   イ 一の居室の定員は、四人以下とすること。   ロ 入所者一人当たりの床面積は、十・六五平方メートル以上とすること。 ハ ブザー又はこれに代わる設備を設けること。  二 静養室     介護職員室又は看護職員室に近接して設けること。  三 浴室   イ 身体の不自由な者が入浴するのに適したものとすること。   ロ 一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した特別浴槽を設けること。  四 洗面所    イ 居室のある階ごとに設けること。   ロ 身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。  五 便所 イ 居室のある階ごとに居室に近接して設けること。 ロ ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。  六 医務室   イ 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の五第二項に規定する診療所とすること。 ロ 入所者を診療するために必要な医薬品及び医療用具を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設け    ること。  七 食堂及び機能訓練室 イ それぞれ必要な広さを有するものとし、その合計した面積は、三平方メートルに入所定員を乗じて得た面積以上とすること。ただし、食事の提供又は機能訓練を行う場合において、当該食事の提供又は機能訓練に支障がない広さを確保することができるときは、同一の場所とすることができる。   ロ 必要な備品を備えること。  八 廊下幅     一・八メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、二・七メートル以上とすること。 2 前項各号に掲げる設備は、専ら当該介護老人福祉施設の用に供するものでなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。    第四章 運営に関する基準  (内容及び手続の説明及び同意) 第四条 指定介護老人福祉施設は、指定介護福祉施設サービスの提供の開始に際しては、あらかじめ、入所申込者又はその家族に対し、第二十三条に規定する運営規程の概要、従業者の勤務の体制その他の入所申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について入所申込者の同意を得なければならない。 (受給資格等の確認) 第五条 指定介護老人福祉施設は、指定介護福祉施設サービスの提供を求められた場合は、その者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無及び要介護認定の有効期間を確かめなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、前項の被保険者証に法第七十三条第二項に規定する認定審査会意見が記載されているときは、当該認定審査会意見に配慮して、指定介護福祉施設サービスを提供するように努めなければならない。  (入退所) 第六条 指定介護老人福祉施設は、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な者に対し、指定介護福祉施設サービスを提供するものとする。 2 指定介護老人福祉施設は、正当な理由なく、指定介護福祉施設サービスの提供を拒んではならない。 3 指定介護老人福祉施設は、入所申込者が入院治療を必要とする場合その他入所申込者に対し自ら適切な便宜を供与することが困難である場合は、適切な病院若しくは診療所又は介護老人保健施設を紹介する等の適切な措置を速やかに講じなければならない。 4 指定介護老人福祉施設は、入所申込者の入所に際しては、その者の心身の状況、病歴等の把握に努めなければならない。 5 指定介護老人福祉施設は、入所者について、その心身の状況、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかを検討しなければならない。 6 前項の検討に当たっては、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等の従業者の間で協議しなければならない。 7 指定介護老人福祉施設は、その心身の状況、その置かれている環境等に照らし、居宅において日常生活を営むことができると認められる入所者に対し、その者及びその家族の希望、その者が退所後に置かれることとなる環境等を勘案し、その者の円滑な退所のために必要な援助を行わなければならない。 8 指定介護老人福祉施設は、入所者の退所に際しては、居宅介護支援事業者に対する情報の提供その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。  (要介護認定の申請に係る援助) 第七条 指定介護老人福祉施設は、入所の際に要介護認定を受けていない入所申込者について、要介護認定の申請が既に行われているかどうかを確認し、申請が行われていない場合は、入所申込者の意思を踏まえ、速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、要介護認定の更新の申請が遅くとも当該入所者が受けている要介護認定の有効期間の満了日の三十日前には行われるよう必要な援助を行わなければならない。  (入退所の記録の記載) 第八条 指定介護老人福祉施設は、入所に際しては入所の年月日並びに入所している介護保険施設の種類及び名称を、退所に際しては退所の年月日を、当該者の被保険者証に記載しなければならない。  (利用料等の受領) 第九条 指定介護老人福祉施設は、法定代理受領サービス(法第四十八条第五項の規定により施設介護サービス費(同条第一項に規定する施設介護サービス費をいう。以下同じ。)が入所者に代わり当該介護老人福祉施設に支払われる場合の当該施設介護サービス費に係る指定介護福祉施設サービスをいう。以下同じ。)に該当する指定介護福祉施設サービスを提供した際には、入所者から利用料(施設介護サービス費の支給の対象となる費用に係る対価をいう。以下同じ。)の一部として、当該指定介護福祉施設サービスについて同条第二項第一号に規定する厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定介護福祉施設サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に指定介護福祉施設サービスに要した費用の額とする。)及び同項第二号に規定する厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事の提供に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事の提供に要した費用の額とする。)の合計額(以下「施設サービス費用基準額」という。)から当該指定介護老人福祉施設に支払われる施設介護サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。 2 指定介護老人福祉施設は、法定代理受領サービスに該当しない指定介護福祉施設サービスを提供した際に入所者から支払を受ける利用料の額と、施設サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。 3 指定介護老人福祉施設は、前二項の支払を受ける額のほか、次に掲げる費用の額の支払を受けることができる。 一 厚生大臣の定める基準に基づき入所者が選定する特別な居室(国若しくは地方公共団体の負担若しくは補助又はこれらに準ずるものを受けて建築され、買収され、又は改造されたものを除く。)の提供を行ったことに伴い必要となる費用 二 入所者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用 三 理美容代 四 前三号に掲げるもののほか、指定介護福祉施設サービスにおいて供与される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その入所者に負担させることが適当と認められるもの 4 指定介護老人福祉施設は、前項各号に掲げる費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、入所者又はその家族に対し、当該サービスの内容及び費用について説明を行い、入所者の同意を得なければならない。  (保険給付の請求のための証明書の交付) 第十条 指定介護老人福祉施設は、法定代理受領サービスに該当しない指定介護福祉施設サービスに係る費用の支払を受けた場合は、その提供した指定介護福祉施設サービスの内容、費用の額その他必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を入所者に対して交付しなければならない。  (施設サービス計画の作成) 第十一条 指定介護老人福祉施設の管理者は、介護支援専門員に施設サービス計画の作成に関する業務を担当  させるものとする。 2 施設サービス計画に関する業務を担当する介護支援専門員(以下「計画担当介護支援専門員」という。)は、施設サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、入所者について、その有する能力、その置かれている環境等の評価を通じて入所者が現に抱える問題点を明らかにし、入所者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握しなければならない。 3 計画担当介護支援専門員は、入所者及びその家族の希望、入所者について把握された解決すべき課題に基づき、当該入所者に対する指定介護福祉施設サービスの提供に当たる他の従業者と協議の上、指定介護福祉施設サービスの目標及びその達成時期、指定介護福祉施設サービスの内容、指定介護福祉施設サービスを提供する上で留意すべき事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成しなければならない。 4 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の原案について、入所者に対して説明し、同意を得なければならない。 5 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成後においても、指定介護福祉施設サービスの提供に当たる他の従業者との連絡を継続的に行うことにより、施設サービス計画の実施状況の把握を行うとともに、入所者についての解決すべき課題の把握を行い、必要に応じて施設サービス計画の変更を行うものとする。 6 第二項から第四項までの規定は、前項に規定する施設サービス計画の変更について準用する。  (指定介護福祉施設サービスの取扱方針) 第十二条 指定介護老人福祉施設は、入所者について、その者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等に応じて、その者の処遇を妥当適切に行わなければならない。 2 指定介護福祉施設サービスの提供は、施設サービス計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して、行わなければならない。 3 指定介護老人福祉施設の従業者は、指定介護福祉施設サービスの提供に当たっては、懇切丁寧を旨とし、入所者又はその家族に対し、処遇上必要な事項について、理解しやすいように説明を行わなければならない。 4 指定介護老人福祉施設は、指定介護福祉施設サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならない。 5 指定介護老人福祉施設は、自らその提供する指定介護福祉施設サービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。 (介護) 第十三条 介護は、入所者の自立の支援及び日常生活の充実に資するよう、入所者の心身の状況に応じて、適切な技術をもって行わなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、一週間に二回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない。 3 指定介護老人福祉施設は、入所者に対し、その心身の状況に応じて、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない。 4 指定介護老人福祉施設は、おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを適切に取り替えなければならない。 5 指定介護老人福祉施設は、入所者に対し、前各項に規定するもののほか、離床、着替え、整容等の介護を適切に行わなければならない。 6 指定介護老人福祉施設は、常時一人以上の常勤の介護職員を介護に従事させなければならない。 7 指定介護老人福祉施設は、入所者に対し、その負担により、当該指定介護老人福祉施設の従業者以外の者 の者による介護を受けさせてはならない。 (食事の提供) 第十四条 食事の提供は、栄養並びに入所者の身体の状況及び嗜好を考慮したものとするとともに、適切な時 間に行わなければならない。 2 食事の提供は、入所者の自立の支援に配慮して、可能な限り、離床して食堂で行うよう努めなければならない。 (相談及び援助) 第十五条 指定介護老人福祉施設は、常に入所者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。  (社会生活上の便宜の供与等) 第十六条 指定介護老人福祉施設は、教養娯楽設備等を備えるほか、適宜入所者のためのレクリエーション行事を行わなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、入所者が日常生活を営むのに必要な行政機関等に対する手続について、その者又はその家族において行うことが困難である場合は、その者の同意を得て、代わって行わなければならない。 3 指定介護老人福祉施設は、常に入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。  (機能訓練) 第十七条 指定介護老人福祉施設は、入所者に対し、その心身の状況等に応じて、日常生活を営むのに必要な機能を改善し、又はその減退を防止するための訓練を行わなければならない。 (健康管理) 第十八条 指定介護老人福祉施設の医師又は看護職員は、常に入所者の健康の状況に注意し、必要に応じて健康保持のための適切な措置を採らなければならない。 2 指定介護老人福祉施設の医師は、その行った健康管理に関し、入所者の健康手帳(老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)第十三条の健康手帳をいう。以下この項において同じ。)に必要な事項を記載しなければならない。ただし、健康手帳を有しない者については、この限りでない。  (入所者の入院期間中の取扱い) 第十九条 指定介護老人福祉施設は、入所者について、病院又は診療所に入院する必要が生じた場合であって、入院後おおむね三月以内に退院することが明らかに見込まれるときは、その者及びその家族の希望等を勘案し、必要に応じて適切な便宜を供与するとともに、やむを得ない事情がある場合を除き、退院後再び当該指定介護老人福祉施設に円滑に入所することができるようにしなければならない。  (入所者に関する市町村への通知) 第二十条 指定介護老人福祉施設は、入所者が次の各号のいずれかに該当する場合は、遅滞なく、意見を付し てその旨を市町村に通知しなければならない。  一 正当な理由なしに指定介護福祉施設サービスの利用に関する指示に従わないことにより、要介護状態の  程度を増進させたと認められるとき。 二 偽りその他不正の行為によって保険給付を受け、又は受けようとしたとき。 (管理者による管理) 第二十一条 指定介護老人福祉施設の管理者は、専ら当該指定介護老人福祉施設の職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、当該指定介護老人福祉施設の管理上支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができる。  (管理者の責務) 第二十二条 指定介護老人福祉施設の管理者は、当該指定介護老人福祉施設の従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。 2 指定介護老人福祉施設の管理者は、従業者にこの章の規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。  (運営規程) 第二十三条 指定介護老人福祉施設は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めておかなければならない。 一 施設の目的及び運営の方針 二 従業者の職種、員数及び職務の内容 三 入所定員 四 入所者に対する指定介護福祉施設サービスの内容及び利用料その他の費用の額 五 施設の利用に当たっての留意事項 六 非常災害対策 七 その他施設の運営に関する重要事項  (勤務体制の確保等) 第二十四条 指定介護老人福祉施設は、入所者に対し、適切な指定介護福祉施設サービスを提供することができるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、当該指定介護老人福祉施設の従業者によって指定介護福祉施設サービスを提供しなければならない。ただし、入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。 3 指定介護老人福祉施設は、従業者に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。  (定員の遵守) 第二十五条 指定介護老人福祉施設は、入所定員及び居室の定員を超えて入所させてはならない。ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。 (非常災害対策) 第二十六条 指定介護老人福祉施設は、非常災害に関する具体的計画を立てておくとともに、非常災害に備えるため、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。 (衛生管理等) 第二十七条 指定介護老人福祉施設は、入所者の使用する食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品及び医療用具の管理を適正に行わなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、当該指定介護老人福祉施設において感染症が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。  (協力病院等) 第二十八条 指定介護老人福祉施設は、入院治療を必要とする入所者のために、あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。  (掲示) 第二十九条 指定介護老人福祉施設は、当該指定介護老人福祉施設の見やすい場所に、運営規程の概要、従業者の勤務の体制、協力病院、利用料その他のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示しなければならない。 (秘密保持等) 第三十条 指定介護老人福祉施設の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。 2 指定介護老人福祉施設は、従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。 3 指定介護老人福祉施設は、居宅介護支援事業者等に対して、入所者に関する情報を提供する際には、あらかじめ文書により入所者の同意を得ておかなければならない。  (広告) 第三十一条 指定介護老人福祉施設は、当該指定介護老人福祉施設について広告をする場合は、その内容が虚偽又は誇大なものであってはならない。  (居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止) 第三十二条 指定介護老人福祉施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に当該指定介護老人福祉施設を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。 2 指定介護老人福祉施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該指定介護老人福祉施設からの退所者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。  (苦情処理) 第三十三条 指定介護老人福祉施設は、その提供した指定介護福祉施設サービスに関する入所者からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、その提供した指定介護福祉施設サービスに関し、法第二十三条の規定による市町村が行う文書その他の物件の提出若しくは提示の求め又は当該市町村の職員からの質問若しくは照会に応じ、利用者からの苦情に関して市町村が行う調査に協力するとともに、市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。 3 指定介護老人福祉施設は、その提供した指定介護福祉施設サービスに関する入所者からの苦情に関して国民健康保険団体連合会(国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会をいう。以下同じ。)が行う法第百七十六条第一項第二号の規定による調査に協力するとともに、国民健康保険団体連合会から同号の規定による指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。 (地域との連携等) 第三十四条 指定介護老人福祉施設は、その運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならない。  (事故発生時の対応) 第三十五条 指定介護老人福祉施設は、入所者に対する指定介護福祉施設サービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、入所者に対する指定介護福祉施設サービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。  (会計の区分) 第三十六条 指定介護老人福祉施設は、指定介護福祉施設サービスの事業の会計をその他の事業の会計と区分しなければならない。  (記録の整備) 第三十七条 指定介護老人福祉施設は、従業者、設備及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。 2 指定介護老人福祉施設は、入所者に対する指定介護福祉施設サービスの提供に関する諸記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。    附 則  (施行期日) 第一条 この省令は、平成十二年四月一日から施行する。  (経過措置) 第二条 平成十七年三月三十一日までの間は、第二条第一項の規定を適用する場合においては、同項第三号イ 中「三」とあるのは、「四・一」とする。 第三条 平成十五年三月三十一日までの間は、第二条第一項第六号及び第九項並びに第十一条第一項の規定を適用する場合においては、これらの規定中「介護支援専門員」とあるのは「介護支援専門員又は介護の提供に係る計画等の作成に関し経験のある生活相談員等」と、同条第二項の規定を適用する場合においては、同項中「担当する介護支援専門員」とあるのは「担当する介護支援専門員又は介護の提供に係る計画等の作成に関し経験のある生活相談員等」とする。 第四条 この省令の施行の際現に存する特別養護老人ホーム(介護保険法施行法(平成九年法律第百二十四号 )第二十条の規定による改正前の老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第二十条の五に規定する特別養護老人ホームをいう。以下同じ。)の建物(基本的な設備が完成しているものを含み、この省令の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。次条において同じ。)について第三条第一項第一号の規定を適用する場合においては、同号イ中「四人」とあるのは「原則として四人」と、同号ロ中「十・六五平方メートル」とあるのは「収納設備等を除き、四・九五平方メートル」とする。 2 この省令の施行の際現に存する特別養護老人ホームであって、児童福祉施設最低基準等の一部を改正する 省令(昭和六十二年厚生省令第十二号)附則第四条第二項(同令第四条の規定による改正後の養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(昭和四十一年厚生省令第十九号)第二十条の規定に係る部分に限る。)の規定の適用を受けていたものについて、前項の規定を適用する場合においては、同項中「原則として四人」とあるのは、「八人」とする。 第五条 この省令の施行の際現に存する特別養護老人ホームの建物については、第三条第一項第七号イ(食堂及び機能訓練室の合計した面積に係る部分に限る。)の規定は、当分の間適用しない。 第六条 平成十七年三月三十一日までの間は、第九条第一項中「合計額」とあるのは、「合計額(介護保険法施行法(平成九年法律第百二十四号)第十三条第三項の規定により要介護被保険者とみなされた旧措置入所者及び要介護被保険者である旧措置入所者にあっては、当該指定介護福祉施設サービスについて同条第四項第一号に規定する厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定介護福祉施設サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に指定介護福祉施設サービスに要した費用の額とする。)及び同項第二号に規定する厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事の提供に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事の提供に要した費用の額とする。)の合計額)」とする。