第8回 財務諸表の作成
財務諸表等の作成

(ここに注目!)
 財務諸表作成の出発点は、日々の取引記録である仕訳だ。そして仕訳を帳簿に記録していく。そして複数の事業を実施する法人にあっては、元帳を組織のどのレベルで持つか、言い換えれば会計管理を組織のどのレベルで集計していくかによって、会計事務の負担が集中もし、分散もできる。
 今回提示された素案では、上記の図にもあるように、拠点ごとに元帳を持ち、それらを事業別⇒法人全体へと集計していくことを想定していると見ることができよう。塊を分けるより、分かれたものを足し上げる方が会計処理の上では容易だ。しかしながら、細かく分け過ぎても、帳簿管理が煩雑になり共通経費となるものが増えてしまい配賦の負荷が発生してしまう。細かすぎず、粗すぎず。実務的には拠点というのが元帳の設定単位としては現実的だ。
 ところで、このなかで拠点区分という新たな区分単位の財務諸表を作ることとなったことから、経理の事務負担に配慮するために、たとえば上記の表の注記にあるように、法人の実情や制度・法人管理の要請上の必要などを勘案し、一定の財務諸表の作成が省略可とされた。また、社会福祉法及び同施行規則で定められている所轄庁に提出すべき決算書類としては、拠点区分のレベルまでというのが素案での考え方である。


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