独立行政法人福祉医療機構では毎年、貸付先各施設の機能性や収支の状況について調査を行っています。このほど平成22年度の各施設(病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、ケアハウス)における経営状況の調査結果を取りまとめました。そこで本コラムでは全10回にわたりまして、その概要を報告します。
特養としては第2回目となる今回は、平成22年度決算における特別養護老人ホームの経営状況のうち、利用者へのサービスの質に影響すると考えられる「従事者の状況」について、タイプ別(従来型、個室ユニット型、一部個室ユニット型)にわけて報告します。
記載内容の参考資料として
【PDF:経営分析参考指標ダイジェスト版】をご覧下さい。
なお、当機構では、特別養護老人ホームを3種類の施設形態に分類し、それぞれ次のように定義しています。
従 来 型 :介護報酬において、「従来型個室」「多床室」の適用を受けている
施設群
個室ユニット型 :介護報酬において、「ユニット型個室」「ユニット型準個室」の適用
を受けている施設群(単に処遇上のユニットケアを実践している施
設は含んでいません。)
一部個室ユニット型:介護報酬において、「従来型個室」「多床室」の適用を受けている
部分と、「ユニット型個室」「ユニット型準個室」の適用を受けている
部分の両方の形態を持つ施設群
@ 従来型
従来型特養の「入所者10人当たり従事者数」は全職種合計では6.27人となり、対前
年度比で0.09人増となりました。職種別の内訳に着目すると、介護職員の増加が相対
的には大きくなっています。(4.08人:前年度比0.07人増)
なお、従事者の全体における常勤職員の比率は前年度から0.3ポイントの減少の
79.5%でした。
A 個室ユニット型
個室ユニット型特養の「入所者10人当たり従事者数」は全職種合計では7.48人となり、
対前年度比で0.02人増となりました。職種別の内訳に着目すると、従来型特養と同様に、
介護職員の増加が大きくなっています。(5.42人:前年度比0.05人増)
なお、従事者の全体における常勤職員の比率は80.3%となり、前年度から0.3ポイント
の減少となりました。
B 一部個室ユニット型
一部個室ユニット型特養の「入所者10人当たり従事者数」は全職種合計では6.78人と
なり、対前年度比で0.07人増となりました。職種別の内訳に着目すると、上記のタイプの
特養と同様に、介護職員の増加が大きくなっています。(4.69人:前年度比0.06人増)
なお、従事者の全体における常勤職員の比率は80.3%となり、前年度から0.3ポイント
の増加となりました。
次回は、特養の「収支の状況」について報告します。
なお本コラムで報告しました各数値および経営指標につきましては、当機構より毎年度発行しております冊子「特別養護老人ホームの経営分析参考指標2011-平成22年度決算分」に所収しています。本コラムの内容についてのお問い合わせや冊子のご購入につきましてはこちら(クリックしてください)でご案内しております。
【参考資料】
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