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◆◆ 平成23年度 ◆◆

貸付先施設の経営状況レポート2011(平成22年度決算分報告)

第4回 介護老人保健施設の経営状況「収支の状況

 経営支援室 経営企画課

 独立行政法人福祉医療機構では毎年、貸付先各施設の機能性や収支の状況について調査を行っています。このほど平成22年度の各施設(病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム)における経営状況の調査結果を取りまとめました。そこで本コラムでは全7回にわたりまして、その概要を報告します。

 第4回目となる今回は、平成22年度における介護老人保健施設の経営状況のうち「収支の状況」を報告します。

 平成21年度および平成22年度の「収支の状況」については【参考資料(こちらをクリック)】のとおりです。

 まず収益の状況ですが、総収益に占める事業収益の割合は97.4%(前年度比▲0.3ポイント)でした。また事業収益に占める入所介護料収益(介護報酬収入+利用者負担金収入)の割合は65.8%(同▲0.3ポイント)、入所者利用料収益の割合は13.8%(同▲0.3ポイント)となりました。一方、通所部門では通所介護料収益の割合は14.6%(同+0.3ポイント)、通所者利用料収益の割合は1.8%(同増減なし)となりました。
 次に費用の状況ですが、事業収益に対する費用の割合では、人件費率が54.9%(前年度比+1.7ポイント)、医療材料費率が2.6%(同増減なし)、給食材料費率が8.4%(同▲0.1ポイント)、そして経費率が19.1%(同+0.1ポイント)となり、人件費の割合が他コストに比べやや増大しました。これは、「介護従事者の処遇改善と人材確保対策」をテーマに平成21年度の報酬改定がプラス改定となったことを背景として、従事者の雇用対策が図られてきたためではないかと考えられます。
 最後に利益の状況についてですが、事業収益対事業利益率は9.5%(前年度比▲1.3ポイント)、また経常収益対経常利益率は8.9%(同▲0.7ポイント)と、いずれも前年度と比較して低下しました。前年度に比べると、費用の上昇を収益の伸びで吸収できておらず、特にコストのなかでも人件費率の増大によって利益率が抑制されていることがみてとれます。

 次回は、特別養護老人ホームの「収支の状況」について報告します。

 なお本コラムで報告しました各数値および経営指標につきましては、当機構より毎年度発行しております冊子「介護老人保健施設の経営分析参考指標2011‐平成22年度決算分」に所収しています。本コラムの内容についてのお問い合わせや冊子のご購入につきましてはこちら(クリックしてください)でご案内しております。


【参考資料】
shiryou_rouken2.pdf(58KB)