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筋萎縮性側索硬化症(ALS)筋萎縮性側索硬化症(ALS)(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)
大脳皮質から脊髄に至る運動ニューロンが侵され、筋肉の萎縮や筋力低下をきたす疾患です。 【主症状】 ・手足や頸部の筋萎縮、筋力低下が起こります。舌の萎縮、安静時の筋肉の細かな収縮などが起こります。 ・進行すると、嚥下障害や言語障害、呼吸不全などが生じます。 【生活上の障害】 ・初発する領域の筋力低下に応じて生活上の障害が生じます。上肢から始まる場合、下肢から始まる場合、球麻痺から始まる場合があり、次第に全身に広がります。 ・運動ニューロンの障害が主体のため意識や感覚が明瞭なため、本人の精神的なつらさに大きいものがあります。 【予後のリスク】 ・進行が速く、発症から3〜5年程度で自力呼吸ができなくなります。 ・延命には人工呼吸器の装着と人工的水分栄養管理が必要となります。 ・延命治療により生存期間は延伸しますが、筋力低下は進行し、やがて眼球運動も困難となり、コミュニケーションが出来なくなるトータルロックトイン症候群に至る可能性があります。 【気をつけたいこと】 ・歩行障害から呼吸の障害、寝たきりといった経過を急速にたどることもあり、訪問系のサービスや福祉用具の導入は先手を意識して対応していきます。 ・進行性で予後が不良であることに対する患者や家族の気持ちを察し、当事者たちが望む療養環境をつくります。 ・介護者の精神的肉体的介護負担が極めて重いため、介護者支援のための社会制度を有効に利用しましょう。
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