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虚血性心疾患虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)
心筋(心臓の筋肉)への血液の供給量が減ったり障害されたりすることにより引き起こされます。「狭心症」と「心筋梗塞(こうそく)」が代表的です。 1)狭心症(きょうしんしょう)
心筋が血液不足に陥ることにより起こります。体動時に冠動脈 からの酸素供給が間に合わなくなり生じる「労作性(ろうさせい)狭心症」と、安静時や睡眠時に起こる「安静狭心症」があります。 【主症状】 ・発作は突然始まります。 ・重苦しい、締めつけられるなどの痛みが胸部全体で起こります。 頸部(けいぶ)や肩などに痛みを感じる場合もあります。 ・動悸、不整脈、呼吸困難、頭痛、嘔吐(おうと)などが生じます。 ・痛みはだいたい5分以内におさまります。 【生活上の障害】 ・運動をすると発作が起きやすいため、活動が制限されます。 ・症状を軽快させるニトログリセリンを常備することが求められます。 【予後のリスク】 ・発作の頻度や強度が増す、発作の持続時間が長くなるといった症状の悪化が起こりえます。 ・急性心筋梗塞に至るおそれがあります。 【気をつけたいこと】 ・負荷の大きい運動を避けます。運動を完全に制限すると機能低下を招きます。 ・肥満は心臓に負担をかけるため、高カロリー食は控えます。 ・入浴はぬるめのお湯が望ましいといえます。長時間は入らないことです。 ・排便指導(力まないようにする)、便通をよくする食事、トイレ室内が寒くないことが重要です。 ・発作時は迅速に医療機関と連携します。 2)心筋梗塞(しんきんこうそく)
冠動脈が完全に閉塞し、心筋に血液が届かなくなることにより起こります。 【主症状】 ・頸部、肩、胸腹部にわたる不快さや激しい痛みが生じます。症状は胸部とは限りません。 ・呼吸困難や嘔吐を伴うことが多くあります。 ・痛みは30分以上から数時間続きます。 【生活上の障害】 ・息切れ、動悸、疲労感、脱力感などがあります。 ・夜間に呼吸困難が起こることがあります。 【予後のリスク】 ・心不全の急性悪化による呼吸困難、不整脈による突然死、再梗塞に注意が必要です。 【気をつけたいこと】 ・痛みがおさまっても医療機関に受診することが必要です。 ・それ以外は狭心症と共通します。
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