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連載コラム
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職場のコミュニケーション力

全24回に渡って、“職場内のコミュニケーション”にフォーカスを当て、職場風土を改善するためのさまざまなヒントをお届けしてまいります。


<執筆>
株式会社メディケアソリューション
代表取締役 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第2回: 人のコミュニケーションの特徴

先入観や思い込みが情報を変えてしまう

 今回は、私たちが普段何気なく行っているコミュニケーションの背景に潜む、さまざまな特徴についてお話ししていきたいと思います。 

 一般的に、人は自分のことは話したいものですが、相手の話はあまり聞いていない(聞きたくない)ものです。それが自分にとって必要な情報か、必要でないのか、無意識のうちにふるいにかけているといってもよいかもしれません。

 実は、人にはこのように話を自分の受け取りたいように聞いて、独自の解釈をして、都合のいいように情報を変えてしまう傾向があります。この機能を『RAS(網様体賦活系)』といいます。今、目の前で見えているもの、聞こえているものが、決して事実なわけではなく、事実を自分自身で作り出しているのです。

 また、『認知バイアス』といって、先入観や思い込みによる影響は非常に大きいものです。よく、「色メガネをかける」という言い方がありますが、そのメガネの色のように物ごとが見えてしまうということです。それがその人にとっての事実になってしまうのです。すると、他の可能性がまるで見えなくなってしまいます。自分が親しく、好意を抱いている人のミスは見えなくなり、さほど好きでない人のミスは実際より拡大して見えるという経験はないでしょうか。まさにそれが認知バイアスです。

一度立ち止まり、柔軟に考える

 ここで、人がものを伝える際のプロセスをご紹介しましょう。例えば、こちらから何か伝えたい物ごとがあったときに、その内容の100%を伝えるわけではありません。まず何かを言おうとするとき、自分の中にある@「気配り・遠慮などのフィルター」、「自分自身の辞書、育った環境・観念」を通ります。次に、表現の仕方もA「言葉の選び方」「声のトーン」「雰囲気、ボディ・ランゲージ」によって、だいぶニュアンスが変わるでしょう。また、伝える際・伝わる際、双方ともに内容を省略・歪曲をしているものです。そして、B相手にも「辞書・育った環境・観念」があり、「自分の聞きたいことのみを聞くフィルター」を経ると、結果として「自分なりの好き勝手な解釈」に変わってしまうのです。それに加えて、ある言葉に対する意味づけ・描くイメージも人によって異なります。まさに、伝言ゲームのごとく、伝えたかった内容が変わってしまうのです。

 これらの特徴から、時にお互いのすれ違いや誤解が生まれ、感情が不必要に波立ちます。疑心や落胆、怒り、場合によっては好き嫌いに発展していくこともあるでしょう。では、どうすればよいのでしょうか?これらを完全に取り除くことは容易ではありません。そこで、少なくとも人にはこういう傾向がある。自分にもそういう傾向があり、相手はきっと悪気があってそうしているのではない、という含みを持たせることができれば、気持ちに少し余裕が生まれます。思いやりの気持ちも出てきます。

 ひとつ言えることは、相手の反応によって即断しないということです。私たちは、相手の表情や言葉から、すぐに決めつけ、結論づけしがちです。レッテルや偏見、イメージ、噂話にも同様に気をつけなくてはいけません。常にいったん立ち止まり、「本当にそうだろうか?」「それは事実だろうか?」と考える柔軟性が必要なのです。

 ぜひそのような視点で、あらためてお互いのコミュニケーションを眺めてみると、おのずと伝え方が変わり、お互いの行き違いをかなり回避できるはずですよ。

●「デイの経営と運営Vol.10」 鯨岡栄一郎 2013 害OL サービス
●「医療・福祉の現場で使える『コミュニケーション術』実践講座」 鯨岡栄一郎 2012 運動と医学の出版社


※ この記事は月刊誌「WAM」平成25年5月号に掲載されたものです。
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