国や自治体の福祉行政を円滑に進めるため、国民・住民に対し、情報の提供や相談、指導などを行う
しごとの内容
政府、都道府県、市町村による社会福祉に関する行政を円滑に進めるため、国民・住民に必要な情報の提供やさまざまな相談・助言、調査、指導、連絡・調整などを行います。
具体的には、政府の場合は厚生労働省社会・援護局、老健局、雇用環境・均等局、こども家庭局、健康局など、都道府県や市町村の場合は民生主管部、衛生主管部、および保健衛生、福祉・児童相談所などの部署があります。いずれの機関でも基本的には「老人福祉法」、「身体障害者福祉法」、「知的障害者福祉法」、「児童福祉法」、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」、「生活保護法」の福祉六法にもとづき、介護を必要とする高齢者や障害者、児童、貧困者・低所得者とその家族などに対し、さまざまな援護や育成、更生、関連調査の実施、相談、指導などを行います。
ただし、職員は2〜3年ごとに異動することが一般的であるため、職務の専門性などに疑問の声も出ています。いずれにせよ、行政職であるため、職務上知り得た秘密は厳守し、かつ福祉というしごとを自覚し、まっとうすることが求められます。
将来性
社会福祉の行政全般にかかわるしごとで、今後も必要とされています。自治体のなかには当初から福祉行政職として採用するところがありますが、その普及にはまだ時間がかかりそうです。
就業者数
一部の自治体で福祉行政職として公務員試験を実施しているところもありますが、全体的には少なく、かつ他の一般行政職と区別できないため、不明です。
勤務形態
原則として日勤で、定時出勤・退勤となります。
給与水準
それぞれの公務員給与規定にもとづきます。
就職のルート
福祉系大学や短大、専門学校を卒業しなくても一般の大学、短大、専門学校、高校を卒業後、公務員試験に合格すれば、しごとに就くことができます。もっとも、福祉系大学や短大、専門学校を卒業しても必ずしも福祉職に配属されるとは言い切れません。このため、公務員試験の面接のとき、あるいは就職後、職場の上司にそのむねを申し出ます。
ただし、国家公務員の場合、当初より就職先として厚生労働省を志望し、受験することは可能です。
採用状況
地方公務員の数は1994年をピークに減少していましたが、2017年に23年ぶりに増加しました。近年は、福祉行政職として採用する傾向が強まっており、採用人数も2桁の自治体が増えつつあります。なかでも首都圏や名古屋市、大阪市などの採用数は多くなっています。
就職するためのポイント
福祉行政職を志望する場合、福祉系大学や短大、専門学校を卒業し、社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士の資格を取得しておくと有利です。もっとも、これらは国家資格のため、取得までに実務経験や養成施設での受講が必要になる場合があります。このため、大学や短大で厚生労働大臣の指定した科目を履修するか、専門学校などの指定養成機関を修了するほか、全国社会福祉協議会(全社協)などが実施する所定の通信課程(1年)を修了し、社会福祉主事任用資格を取得するほうが早道といえるでしょう。
関連団体・組織
人事院
http://www.jinji.go.jp
地方自治体人事委員会など