さまざまな障害を有する人に個別に対応し、絵画制作や園芸など各種の作業を通じて機能の回復を図る
しごとの内容
作業療法士はOT(Occupational Therapist)とも呼ばれています。身体や精神に障害のある人に対し、主としてその応用的動作能力や社会的適応能力の回復を図るため、医師の指示のもと、手芸や工作、遊びなどを通して治療や指導、援助を行います。
具体的には、先天的な心身の障害や病気、事故などにより何らかの障害が残った機能を最大限に回復させるため、日常生活動作(ADL)や絵画、陶芸、木工、金工、手工芸、園芸、織物、遊びなどを通じて手先の訓練や治療を行い、補装具や備品の改良、環境の改善についても指導します。
また、作業活動から利用者との心理的な接近を図り、社会生活に復帰させるための心理的な準備を進めたり、職業前評価を通じ、労働力の評価や職業準備訓練を実施したり、レクリエーション、遊戯活動、社会教育などを行ったりします。地域活動に参加することもあります。
主な職場
一般病院、精神・神経科病院、保健所、リハビリテーションセンター、デイケアセンター、障害者支援施設、児童発達支援センター、医療型障害児入所施設
将来性
人口の高齢化とともに作業療法が必要となる場面が拡大しており、多様化する利用者のニーズに対応する専門職として注目されています。
従事者数
4万7,853人(2020年10月現在。病院のみの数値)
出典:「令和2(2020)年医療施設(静態・動態)調査(確定数)・病院報告の概況」結果の概要|厚労省
(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/20/dl/02sisetu02.pdf)
勤務形態
勤務先の業態によりますが、日勤での勤務が一般的です。病院・施設によっては宿直がある場合もあります。
給与水準
公立の場合、公務員給与規定にもとづき、基本給に諸手当が上乗せされます。民間の場合、企業・事業所によって異なりますが、月収は30〜35万円程度です。
資格取得のルート
次の@〜Bのいずれかに該当する人は作業療法士国家試験の受験資格を得ることができ、この試験に合格し、厚生労働大臣の免許を得て作業療法士の資格を取得します。
@文部科学大臣指定の学校、または都道府県知事指定の養成施設で3年以上作業療法に関する知識と技能を習得した人
A理学療法士の資格所持者で文部科学大臣指定の学校、または都道府県知事指定の養成施設で2年以上作業療法に関する知識と技能を習得した人
B外国の作業療法に関する学校、または養成施設を卒業し、もしくは外国で作業療法士の免許に相当する免許を受けた人で、@〜Aに掲げるものと同等以上の知識と技能を有するものと厚生労働大臣の認定を受けた人
合格者状況
出典:「国家試験の合格発表」|厚生労働省 を元に表を作成
試験の概要
試験科目 |
<筆記試験> |
一般問題 |
@解剖学、A生理学、B運動学、C病理学概論、D臨床心理学、Eリハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)、F臨床医学大要(人間発達学を含む)、G作業療法 |
実地問題 |
@運動学、A臨床心理学、Bリハビリテーション医学 |
C臨床医学大要(人間発達学を含む)、D作業療法 |
<口述・実技試験> |
試験日 |
年1回、2月下旬 |
試験地 |
<筆記試験> |
北海道、宮城、東京、愛知、大阪、香川、福岡、沖縄 |
<口述・実技試験> |
東京 |
申し込み期間 |
12月中旬〜1月上旬 |
受験手数料 |
10,100円 |
資格取得のポイント
最も短期間で資格を取得するには養成施設などに進学し、作業療法士試験の合格をめざすことです。
関連団体・組織
一般社団法人日本作業療法士協会
https://www.jaot.or.jp/
一般社団法人全国リハビリテーション学校協会
https://reha-school.jp/
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