成年後見人(専門職・市民後見人)
トップ

判断能力が十分でない高齢者や障害者が不利益を受けないよう、支援する

しごとの内容

 認知症や知的障害、精神障害のため、判断能力が十分でない高齢者や障害者が金銭管理や身上監護(保護)などで不利益を受けないよう、支援する専門職です。

 本人の判断能力の程度や支援の内容によって「成年後見人」「保佐人」「補助人」「任意後見人」に分かれています。

 成年後見人などは生活・医療・介護など、本人の身の回りの事柄にも目を配りながら支援します。もっとも、本人の財産管理や契約などの法律行為に関するものに限られており、食事の世話や実際の介護などは行いません。また、成年後見人などは、支援内容について報告するなど家庭裁判所の監督を受けながら職務に従事します。

 高齢化が進み、認知症などで判断能力が十分でなくなった人に対する支援の必要性が高まっています。成年後見人などにはもともと司法書士や弁護士、社会福祉士などの専門職が後見人などに従事する「専門職後見人」、本人の家族や身内などの親族が選任される「親族後見人」などがありました。さらに、社会状況が変化し、専門職後見人や親族後見人などだけでは対応が難しくなるのに伴い、一般の市民が後見人を務める「市民後見人」のしくみがつくられ、推進されています。

 なお、市民後見人は多額の財産がなく、紛争性がないなど必ずしも高い専門性が要求されないケースを担当することが想定されています。

<財産管理と身上監護(保護)の主な内容>
財産管理 身上監護(保護)
・印鑑、預貯金通帳の管理
・収支の管理(預貯金の管理、年金給料の受取、公共料金・税金の支払いなど)
・不動産の管理、処分
・貸地・貸家の管理
・遺産相続の手続き など
・家賃の支払いや契約の更新など
・老人ホームなどの介護施設の各種手続きや費用の支払い
・医療機関に関しての各種手続き
・障害福祉サービスの利用手続き
・本人の状況に変化がないか定期的に本人を訪問し、生活状況を確認 など

主な職場

 市町村社協や信託銀行など一部で雇用される場合もありますが、一般的にはそれぞれの資格にもとづく事務所に就職、あるいは自営業として事務所を経営して業務に就きます。

将来性

 核家族化や少子高齢社会の到来、人口減少、介護保険制度の普及によって有望です。

 ちなみに、法務省の調査によると、2017年における成年後見関係事件の申立件数は計で約36,000件、また、同年末時点の成年後見制度の利用者は約21万人に上っており、ここ数年、毎年1万人近く増加しています。

勤務形態

  就職先や勤務形態により異なりますが、週末や休日も業務にかかわることがあります。

給与水準

 弁護士などの報酬のように規定されていないため、ケースバイケースですが、たとえば管理財産の額が1,000万〜5,000万円以下の場合、月額3万〜4万円、管理財産の額が5,000万円を超える場合、同5万〜6万円程度になりますが、いずれも家庭裁判所が決定します。

 なお、市民後見人の場合、交通費などは実費程度というように基本的には無報酬です。

就職のルート

 成年後見人などは次の欠格事由に当てはまらなければだれでもなることができます。
   1.未成年
   2.以前に後見人などを解任された経歴がある人
   3.破産者
   4.本人に対して訴訟を起こした者やその配偶者・直系血族 
   5.行方がわからない人
 弁護士、司法書士、行政書士、税理士、社会福祉士、精神保健福祉士などの専門職から成年後見人になる場合、各資格取得のための試験に合格して取得し、家庭裁判所により選任されることが必要です。市民後見人となるためには資格などは必要ありませんが、自治体などの後見人養成講座によって知識を身につけ、さらに家庭裁判所から専任される必要があります。

試験の方法

 資格取得のための試験の方法は、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、社会福祉士、精神保健福祉士によってそれぞれの試験に合格し、取得します。市民後見人については後見人養成講座を受講後、自治体に登録して「登録市民」となるルートがあります。

資格取得のポイント

 それぞれの試験に必須の金銭管理や身上監護(保護)にかかわる知識と被後見人の支援者にふさわしい専門的な知識と深い人間愛、素養などが求められます。

関連団体・組織

最高裁判所事務総局家庭課

 http://www.courts.go.jp/