地域の人材やシステムを活用して困難に直面している人を支援するとともに、住民同士が支え合って課題を解決する地域づくりを行う人を支援する
しごとの内容
高齢者、障害のある人などへの公的な福祉サービスは徐々に発展してきました。しかし、地域においては公的な福祉サービスだけでは対応できない生活課題も増えており、制度の谷間にいて困窮している人も少なくありません。コミュニティソーシャルワーカーは、このような地域で困っている人を支援するため、地域の人材や制度、サービス、住民の援助などを組み合わせたり、新しい仕組みづくりのための調整やコーディネートを行ったりする役割を担います。
具体的には、支援を必要とする人に対し、安否確認や見守り、生活課題の発見、相談援助、必要なサービスや専門機関へのつなぎなどを行います。また、住民同士の支え合いの活動支援のほか、セーフティネットの体制づくりなど地域福祉の計画的な推進を図るため、関係機関・団体などに働きかけます。
コミュニティソーシャルワーカーが支援するのは高齢者や障害のある人、貧困家庭、単身者、外国人、ホームレス(路上生活者)など広範囲にわたります。支援にあたってはその人の心身の状況や生活環境、人間関係などを十分理解し、信頼関係を築くことが重要なため、根気よく地域の人を巻き込みながら取り組んでいくことが求められます。
主な職場
市町村の社協
将来性
人口減少や少子高齢化、地域コミュニティの衰退、生活課題の複雑化・複合化といった難題が重なるなか、現在国をあげて地域包括ケアシステムの構築により「地域共生社会の実現」に向けた基盤の整備が進められています。ちなみに、地域共生社会とは「制度・分野ごとの縦割りや「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会」で、地域福祉を担う人材の役割は今後さらに重みを増していくことでしょう。
勤務形態
職場によって異なりますが、日勤が一般的です。
給与水準
社協や高齢者施設など、配置先によります。社協の場合は市町村によって差がありますが、月収は20〜35万円前後です。
就職のルート
コミュニティソーシャルワーカーは資格ではなく、福祉の実務経験があれば就職できる場合もあります。とはいえ、生きづらさを抱えた人の相談にのり、地域住民を含めた多様な関係者と課題解決に当たる業務であるため、社会福祉士や社会福祉主事などの資格を有していると就職の際に有利です。このほか、精神保健福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護福祉士などの資格も役立ちます。
関連団体・組織
社会福祉法人全国社会福祉協議会
https://www.shakyo.or.jp/