ボランティアコーディネーター
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ボランティアが力を発揮できるよう、人材を組織立ててプロジェクトを推進する

しごとの内容

  1995年1月に発生した阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)では全国から延べ約130万人以上の人がボランティア活動に参加しました。また、同年12月、「災害対策基本法」が改正され、「国及び地方公共団体は、ボランティアによる防災活動が災害時において果たす役割の重要性に鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努めなければならない」という条文が追加されました。これらを契機にボランティア活動の重要性が広く知られるようになり、この年は「ボランティア元年」と呼ばれています。

ボランティアコーディネーター

  阪神・淡路大震災の被災地に駆けつけた人やグループは、学生・企業のグループ、医師や建築士などの専門家団体のグループなどさまざまでした。その約7割が「ボランティア活動は初めて」という人で、被災者との気持ちの行き違いやボランティア同士の意見の食い違いなども少なくなかった、といわれています。

 そこで、今後、このようなことが起こらないよう、ボランティア活動を行う際の心構えや注意点などの啓発、各機関やボランティアの調整などを行う役割が求められるようになり、その役割を果たす人がボランティアコーディネーターと呼ばれるようになりました。現在では、災害時だけでなく、平常時でもボランティア活動は社会のすみずみにまで広がり、社会全体を支える大きな柱となっています。

 たとえば、高齢者・障害者・子ども・青少年を対象とした活動、自然や環境を守る活動、芸術・文化に関する活動などがあります。このようなさまざまなボランティア活動が順調に行われるよう、ボランティアコーディネーターのしごとの内容は、困っている人からの相談を受け付ける、問題を解決するための方法を考えてボランティアを募集する、情報を収集する、人と人や団体同士をつなぐ、問題を掘り下げて調査し、情報発信するなど多岐にわたります。




 <ボランティア活動の内容例(災害以外)>

区分

活動内容の例

高齢者・障害者への活動

一人暮らしの人への配食、見守り、訪問、交流の場づくり、移動の補助、点訳、朗読、手話など

子ども・青少年への活動

レクリエーション活動、スポーツ活動、キャンプ、イベントの運営、学習の援助、電話相談など

環境に関する活動

森林や海岸の清掃、リサイクル活動、動物保護、防犯・交通安全など

芸術・文化に関わる活動

美術館・博物館の案内、伝統文化の紹介

国際的な活動

発展途上国への援助、日本にいる外国人への支援など


 (地域福祉・ボランティア情報ネットワーク〈全国社会福祉協議会地域福祉部、全国ボランティア・市民活動振興センター〉ホームページより改変)


主な職場

 社会福祉協議会(社協:ボランティアセンター)、民間のボランティア支援団体、NPO支援センター・大学ボランティアセンター、NPO・NGO団体、高齢者施設や児童施設など社会福祉施設、病院、博物館や図書館など、学校、青少年教育施設、生涯学習センター、公民館、自治体、企業、まちづくり協議会

将来性

 ボランティアコーディネーターは日本ではまだ専門的な職業としての認知は広がっていませんが、社協のボランティアセンターや民間ボランティア協会、福祉施設や病院などで少しずつ知られるようになってきています。ボランティアコーディネーターの名称を使っていなくても、実際にボランティアを調整するしごとをしている人は多くいます。その活動の必要性や重要性が高まるなか、活躍の場は広がっていくと見込まれます。

試験の概要

 ボランティアコーディネーターにはとくに資格はありませんが、日本ボランティアコーディネーター協会により「ボランティアコーディネーション力検定試験」が実施されています。3級から1級まであり、試験の開催月は年度や級によって異なります。協会の行う「主催検定」のほか、各地の主催団体と共催で行う「共催検定」があります。主催検定は東京や大阪で行われますが、共催検定はその他の地域でも開催されます。

 試験の申し込み方法については日本ボランティアコーディネーター協会ホームページを参照してください。


 <ボランティア活動の内容例(災害以外)>

3級 

ボランティア、ならびにボランティアコーディネーションに関する基礎的な知識を理解できている

2級

ボランティア、ならびにボランティアコーディネーションに関する知識を実務に応用する力を身につけている

1級

ボランティアコーディネーション力を使い、地域の課題の解決に向けた有効で、かつ実行可能な方策を提案できる力を身につけている


合格者数

 1級:79人、2級:564人、3級:4465人(2018年12月現在)

勤務形態

 職場によって異なり、常勤、非常勤、また、専任、兼任のいずれかなど立場もさまざまです。もっとも、団体によっては人事異動で他の部署に移る可能性があるため、継続的にボランティアコーディネーターの業務に就けるわけではありません。また、病院や高齢者施設などで他の職務を兼任する場合、夜勤を担当することもあります。

給与水準

 職場や勤務形態によって異なります。たとえば社協に正社員として勤務する場合、月収は20万円前後が目安となります。

関連団体・組織

全国社会福祉協議会(全社協)地域福祉推進委員会 / 全国ボランティア・市民活動振興センター

 https://www.zcwvc.net/

特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会

 https://jvca2001.org/whats_vco/explanation/