さまざまな事情で家族による養育が困難な児童を家庭に代わって養育する施設
概要
保護者のない児童や虐待されている児童、その他環境上養護を要する児童を入所させて養護し、その自立を支援する施設です。
具体的には、児童に食事や入浴、掃除などの基本的な生活指導から学校生活や友だちとの付き合いに関する相談、学校の教師と連携を密にした学習指導など、きめ細かな対応を行います。また、地域との交流活動や児童相談所など公的機関との連絡・調整、保護者との面接など幅広い活動を行うほか、就職や進学の指導など、児童が自立した社会人として生きていくことができるよう、支援をしています。
このほか、非措置児童の家庭の家族関係の調整をはじめ、保護者の子育てのパートナーとしての役割を果たして退所した人に対する相談、自立のための支援なども行います。施設によっては、保護者が病気などの理由で児童を一時的に預かる短期入所生活援助(ショートステイ)や夜間養護(トワイライトステイ)などの事業も行っています。
1日の日課は通常、朝6:00ごろに起床し、洗面や体操、掃除のあとに登校し、下校後はスポーツなどを楽しんだのち、夕食をとり、入浴後に学習や団らん、テレビを観たあと、夜20:00以降、順次就寝します。
施設数
608か所(2017年10月現在)
主な就業職種
児童指導員、嘱託医、保育士、個別対応職員、家庭支援専門相談員、心理療法担当職員、職業指導員、栄養士、調理員、事務職員
採用について
従来、欠員が生じた場合に採用の枠ができる程度でしたが、2000年11月に「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」が施行されて以来、施設の整備・拡充が図られています。また、小規模児童養護施設が2006年4月から実施され、2017年8月に公表された「新しい社会的養育ビジョン」では施設の高機能化および多機能化・機能転換、小規模、かつ地域分散化に向け、職員配置・専門職の配置の充実、職員の人材育成なども盛り込まれているため、求人は今後も増えていくものと思われます。
求められる人材は福祉の専門的知識だけでなく、スポーツや音楽など児童と接するための方法をたくさんもっている人ですが、児童虐待の問題では児童のみならず、保護者へのケアも要求されます。
なお、採用時には児童指導員、保育士の資格の取得が求められます。
関連団体・組織
全国児童養護施設協議会
http://www.zenyokyo.gr.jp/
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