児童の健全な遊び場を確保し、健康増進や情操を豊かにすることをめざす機関
概要
主に18歳未満の児童に健全な遊びを与え、健康の増進を図る一方、情操を豊かにすることを目的とする施設で、児童遊園と並ぶ児童厚生施設の一種です。
具体的には、屋内における活動を主とし、その規模や機能などによって小型児童館、児童センター、大型児童館A型・B型・C型などに分かれています。このうち小型児童館は、小地域を対象に子ども会や母親クラブなど、地域に根づいた組織活動の育成・助長を図る総合的な機能をもっています。
また、児童センターは小型児童館の機能に加え、運動や遊びを通じ、体力の増進の機能と年長児童育成機能を併せた特別の指導機能をもっています。
一方、大型児童館のうち、A型は広域の児童を対象とし、児童センターの機能に加え、都道府県内の小型児童館や児童センター、その他の児童館の指導および連絡・調整などの役割を果たす中枢的な機能をもっています。これに対し、B型は自然のなかで宿泊させ、野外活動を行うことができる機能、C型は児童に健全な遊びを与え、健康の増進や情操豊かに芸術や科学・体育などの総合的活動ができる機能をそれぞれもっています(現在、C型は運営されていません)。
なお、その他、公共性や持続性をもつもので、設備や運営などについては小型児童館に準じ、かつそれぞれの対象地域の範囲や特性、対象児童の実態などに応じた児童館があります。地域によっては学童保育室を併設し、昼間、保護者が共働きのため、家庭にいない小学校低学年の児童を預かる学童保育(学童クラブ、放課後児童クラブ)を実施しているところもあります。
いずれにしても、それぞれの児童館では集会室や遊戯室、工作室、音楽室、図書室などを設け、児童たちを友だちとの“遊びの輪”に入れ、子ども同士のいきいきとした遊びの世界を実現しながら協調性や創造性、好奇心を伸ばすことに努めています。このため、音楽や劇、絵画、紙芝居、映画祭、親子劇場、児童劇、伝承遊び、地域の高齢者や障害者との交流活動など、さまざまな遊びや催しを企画して仲間づくりを行っています。
平日の午前から昼までは、乳幼児の親子を対象とした遊びのクラブや子育て相談などが行われ、午後以降は、下校した児童が過ごす場となるのが一般的な日課です。土曜日も開放し、日曜日や祝日には地域の人も交えたイベントを行い、子ども会や母親クラブなどの参加により、地域の子育て支援活動の拠点となっています。また、最近は中高生を対象としたプログラムを用意しているところもあります。
児童遊園について
児童遊園は屋外での活動を主とするもので、「都市公園法」にもとづく街区公園と相互に補完的な役割を有し、主として幼児や小学校低学年の児童を対象としています。その標準的な規模は都市部において330平方メートルで、広場やブランコなどの遊具設備、トイレ、水飲み場などを設けることになっています。
施設数
小型児童館2,680か所、児童センター1,725か所、大型児童館A型17か所、同B型4か所、その他の児童館115か所、児童遊園2,380か所(2017年10月現在)、学童保育室2万5,328か所(2018年5月現在)
主な就業職種
児童の遊びを指導する者(児童厚生員)
採用について
公立の施設が大半であるため、公務員試験に合格し、そのしごとに就くのが一般的ですが、近年、少子化の進行に伴って採用の枠は全般的に狭くなっています。
ただし、近年、共働き家庭が急増しており、児童館はもとより、学童保育室(学童クラブ、放課後児童クラブ)も大幅に不足しています。なかでも学童保育の潜在的なニーズは40万人程度ともいわれ、離職保育士に対し、都道府県保育士・保育所支援センターへの登録が啓発されています。また、2018年9月に「新・放課後子ども総合プラン」が策定され、学童保育の定員を2019年度から2023年度末までに30万人分増やすとしていることから、これらに関連する採用は増加していくものと思われます。
関連団体・組織
児童健全育成推進財団
http://www.jidoukan.or.jp
全国学童保育連絡協議会
http://www2s.biglobe.ne.jp/Gakudou/
WAM NET関連情報