貧困家庭や孤食の子どもに無料または低額で食事を提供する場
概要
相対的貧困率(世帯所得が標準的所得の半分以下の割合)や子どもの貧困率の悪化により、子どもの食事難や孤食の問題が取り上げられようになり、2012年に活動が開始されてから短期間で全国に広まりました。
具体的には、貧困家庭や孤食の子どもに対し、地域住民のボランティアや自治体が主体となって子どもが一人でも利用できる、無料、または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する場所です。
親や地域の人々など、だれでも利用できる食堂も増えており、育児中や母子家庭の母親、高齢者が多く利用するところもあり、子どもの食育・共食や居場所づくりだけでなく、地域交流や子どもの見守りの場など、地域に開かれたコミュニティの場としての役割も担っています。このほか、食堂という形をとらず、子どもの居場所づくりの事業や学習支援事業、高齢者の食事会などと併せて食事を提供するところもあります。
設置や運営に関する公的な基準はなく、だれでも開くことができます。運営主体はNPO法人事業所、社会福祉法人、自治会、個人、企業・事業所、協同組合などさまざまで、食材や資材、調理など運営に要する費用・人員は主に寄付やボランティアによって賄っており、自治体や企業・民間団体などによる助成などの支援も行われています。
開催場所には公民館や児童館などの公共施設、事務所、空き店舗、民家や個人の自宅、飲食店、医療機関や介護施設、お寺や教会などが使われています。
参加費(料金)、開催の頻度、メニューなどは食堂ごとに違いがありますが、有料の場合は数百円ほどで、月1〜2回開催しているところが多く、食事以外にも調理活動、学習支援教室・宿題や遊びの支援、季節の行事やイベントなどを開催しているところもあります。
施設数
3,718か所(2019年4月現在)
主な就業職種
人員基準などに関する公的な基準はありません。
採用について
全国的に増加傾向で、かつ行政も支援に力を入れていることから、今後、活躍できる場は広がると思われます。
関連団体・組織
NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
https://musubie.org