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被災福祉施設復興事例紹介
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〜 岩手県 釜石市 〜

社会福祉法人岩手徳栄会

「特別養護老人ホーム三峯の杜」の新設事例紹介

取材日 平成26年8月8日
東日本大震災により、死者978人・行方不明者152人、半壊以上の建物3,655棟といった被害を受けた岩手県釜石市(出典:国土交通省東北地方整備局ホームページ資料【平成25年3月11日現在】)。その釜石市の鵜住居地区に、震災後新たに設立した地域密着型の特別養護老人ホーム「三峯の杜」を取材した。

被災地域と施設所在地マップ



※浸水区域データの出典:国土交通省都市局『復興支援調査アーカイブ』データ


地域の復興も目指して、特別養護老人ホーム「三峯の杜」がオープン

 東日本大震災により、甚大な被害を受けた岩手県釜石市。その市街地から、車で15分ほどの場所に社会福祉法人岩手徳栄会が運営する地域密着型の特別養護老人ホーム「三峯の杜」はあります。
 施設の開所日は平成26年7月14日。震災後に国の補助金等のほか、福祉医療機構の災害復旧資金4億2千万円ほどの融資を利用して建てられました。地域密着型の特別養護老人ホームを被災地域に新設して、地域の復興も目指します。

▲ 特別養護老人ホーム三峯の杜外観


東日本大震災により、建設計画がいったん白紙に戻って再出発

 三峯の杜は豊かな自然に囲まれた釜石市鵜住居地区の山間部にあります。定員は、特別養護老人ホームが29床で、併設するショートステイが20床です。
 法人理事長の齊藤さんが別法人で訪問看護、居宅介護支援事業に携わる中で、利用者の方々の状況やニーズを肌で感じ、要介護度が高い人であっても、別の地域には移らずに住みなれた鵜住居地区で暮らし続けていけるようにするには地域に施設サービスが必要ではないかとの思いで、三峯の杜は設立されました。
 施設の立地は、「この場所なら今後心配される津波も大丈夫」(法人理事長 齊藤さん)と自信を持って選ばれた場所です。
 しかしながら、はじめからこの場所を選定していたわけではありません。建設計画自体は東日本大震災の前から進められており、当初は海に近い国道沿いでの建設が予定されていました。ところが、その場所が東日本大震災により浸水。建設予定地は変更せざるを得なくなり、進められていた計画はいったん白紙に戻りました。震災後は、津波の心配がない建設場所を選定し直し、計画を練り直して、再出発をすることとなりました。

▲ 施設の駐車場から撮影。豊かな自然が広がる。


「資材不足」、「資材高騰」、「人材不足」にも対処

 震災による影響は建設予定地の変更を余儀なくされたことだけではありません。他にも計画通りに進まなかったことがあります。例えば、資材不足から竣工が5か月遅れたこと、資材の高騰により当初の予算範囲に収めるために経費節減を行ないつつの工事となったことなどが挙げられます。訪問日(8月8日)時点でも、人材不足によりショートステイ20床分を運営するための介護職員10名が足りず、同サービスは休止せざるを得ないといった状況でした。それでも理事長の齊藤さんからは「ここ2ヶ月くらいにはなんとかショートステイの事業運営も開始したい」と意気込みを持ってお話いただきました。

▲ 震災の影響により、予定よりも3か月搬入が遅くなったエレベーター


震災の教訓を生かした震災に強い整備を検討

 三峯の杜では、震災の教訓を踏まえ、今後の万が一の震災に備えた設備の導入及び検討も行なわれています。例えば、「水」については、既存の上水道のインフラが止まった際の備えとして、厨房以外の水は地下水を利用しています。もっとも地下水を利用することについては、震災時の備えのためだけではなく、水質検査で最高水準の評価を得た、恵まれた環境にある「すごくおいしい水」(理事長齊藤さん)を提供したいというサービス提供の一環でもあります。
 さらに、震災時に、「情報」がほとんど入ってこなかったという経験を踏まえ、ラジオからの情報は少なくとも入るようにとUSENの導入(衛星回線の利用)も行なっています。
 今後は、「食材」については、地域農家やJAと災害時の協定を結ぶことで、災害時に必要物資を調達することや「1年間施設を運営してみないとわかりませんが」との断りはありましたが、「電気」については太陽光発電の導入、「入浴」については、ソーラー給湯設備の導入といった意向もあると伺いました。

地域との連携を想定して厨房を整備

 地域との連携では、いろいろ出来ることもあるのではないかとのことでしたが、その中の1つには、「地域の食文化の継承」があります。地域の郷土料理にはどういったものがあるのか、地域の方々と掘り起こしをし、そしてそれを料理として提供できる環境を整え、利用者の方に提供を行うとともに、地域の方々と掘り起こされた郷土食の食事会を開催して、地域の方々に施設をどのようにご利用いただけるか、意見交換をしていきたいとのことです。
 そのため、スタッフが通常の運営で利用者向けに行なう調理のほか、地域連携に向けて地域の方に向けた調理も行なえるようにと、厨房は作業スペースを通常よりも広く確保し、また充実した設備も整えられているとのことでした。

▲ 地域との連携を視野に入れ、通常よりも広く充実した設備が整えられている厨房


アウトリーチも行う地域の中核となる施設へ

 その他の連携では、隣接する別法人が運営する養護老人ホームとの交流も行われ始めました。今は利用者同士が行き来することが行われているとのことですが、今後はもう一歩踏み込んだ連携をしていきたいとのことです。
 まだ施設開所間もないこともあるせいか、今後の計画は控えめにお話いただきましたが、地域の中核を担う施設として、今後の展開が楽しみな施設です。


<< 法人概要 >>
法人名 社会福祉法人岩手徳栄会 理事長 齊藤 裕基 氏
法人施設 地域密着型特別養護老人ホーム三峯の杜(ショートステイ含む)
施設所在地 岩手県釜石市鵜住居町第2地割22番地1
福祉医療機構融資額 423,000千円
法人設立時期 平成25年3月27日 開所時期 平成26年7月14日
電話 0193-27-8040 FAX 0193-27-8041
URL http://www.iwate-tokueikai.jp/


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