福祉医療経営情報記事
トップ



 

◆◆ 平成22年度 ◆◆

貸付先施設の経営状況レポート2010(平成21年度決算分報告)

第1回 特別養護老人ホームの経営状況「機能性の状況」

 経営支援室 経営企画課

 独立行政法人福祉医療機構では毎年、貸付先各施設の機能性や収支の状況について調査を行っています。本コラムでは全7回にわたりまして、このほどとりまとめました平成21年度の各施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院)における経営状況の調査結果について、その概要を報告します。

 本コラム初回となる今回は、特別養護老人ホームの経営状況について、事業活動収入の基礎となる「機能性の状況」をタイプ別(従来型、個室ユニット、一部個室ユニット)にわけて報告します。なお、【参考資料(こちらをクリック)】をあわせてご覧下さい。
    (1) 従来型
       「特養入所利用率」は、95.8%と前年度比較でほぼ横ばいですが、「短期入所利用率」は86.2%で前年度から0.5ポイントの上昇となりました。また「平均要介護度」は、短期入所は前年度と比較してほぼ横ばいですが、特養入所は上昇して3.90となりました。
    (2) 個室ユニット型
       「特養入所利用率」は、96.1%で前年度から0.5ポイント上昇し、「短期入所利用率」は81.8%で前年度から5.4ポイントと大幅に上昇しています。また「平均要介護度」は、短期入所は前年度から下降し3.07ですが、特養入所は上昇して3.70となりました。
    (3) 一部個室ユニット型
       「特養入所利用率」は、96.1%で前年度から0.5ポイント上昇し、「短期入所利用率」は84.6%で前年度から2.6ポイント減少しました。また「平均要介護度」は、短期入所は前年度から下降し3.13ですが、特養入所は上昇して3.80となりました。
     また(1)〜(3)すべてのタイプにおいて、「定員1人当たり事業活動収入」および「入所者1人1日当たり事業活動収入」は、前年度から大きく増加しています。要因としては、「利用率」および「平均要介護度」の上昇はもちろんのこと、平成21年度介護報酬プラス改定や介護職員処遇改善交付金の影響が考えられます。

     次回は、特別養護老人ホームの「従事者の状況」について報告します。

     なお本コラムで報告しました各数値および経営指標につきましては、当機構より毎年度発行しております冊子「特別養護老人ホームの経営分析参考指標‐平成21年度決算分‐2010」より一部抜粋したものです。本コラムについてのお問い合わせや冊子の購入方法につきましてはこちら(クリックしてください)でご案内しております。


    【参考資料】
    shiryou_tokuyou.pdf