独立行政法人福祉医療機構では毎年、貸付先各施設の機能性や収支の状況について調査を行っています。本コラムでは全7回にわたりまして、このほどとりまとめました平成21年度の各施設（特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院）における経営状況の調査結果について、その概要を報告します。

　第6回目となる今回は、病院の経営状況について「機能性の状況」を報告します。平成20年度および平成21年度の「機能性の状況」については【参考資料（こちらをクリック）】のとおりです。

　なお当機構では病院を3種類に分類しており、それぞれ以下のように定義しています。

一般病院　：全病床に占める一般病床の割合が50％超
療養型病院：全病床に占める療養病床の割合が50％超
精神科病院：全病床に占める精神病床の割合が80％以上

　まず「患者1人1日当たり医業収益（入院）」ですが、各病院類型いずれも前年度比で増加がみられました（一般1113円増、療養型610円増、精神科261円増）。平成21年度診療報酬改定へ順応出来ている様子がうかがわれ、また「平均在院日数」もここ数年で全体的に短縮されたことなども要因としては考えられます。同様に、入院基本料のランクアップも単価の主な増加要因の一つであると考えられ、このことはいずれの病院類型も「患者規模100人当たり従事者数」の増加、とくに看護師数が増加していることからもみてとれます。
　平成20年度までは「平均在院日数」の短縮につれて低下してきた「病床利用率」が、平成21年度決算の調査では上昇に転じました。
　このように入院単価の増加に加え利用率も上昇したことに加え、外来についても単価、利用率ともに上向き傾向となり、結果、「病床１床当たり医業収益」についても前年度比で増加しました。

次回は、病院の「収支の状況」について報告します。

　なお本コラムで報告しました各数値および経営指標につきましては、当機構より毎年度発行しております冊子「病医院の経営分析参考指標‐平成21年度決算分‐2010」より一部抜粋したものです。本コラムについてのお問い合わせや冊子の購入方法につきましてはこちら（クリックしてください）でご案内しております。


【参考資料】