よくあるご質問
高齢者福祉

制度利用に関する質問を掲載しています。

よく高齢社会という言葉を聞きますが、どのようなことでしょうか?

高齢社会とは総人口に占める老齢人口(65歳以上)の比率が高くなっている社会のことをいいます。国際連合の分類では65歳以上人口の比率が7%を超えた社会を「高齢化社会」とし、14%を超えた社会を「高齢社会」としています。日本は1994(平成6)年に14%に達し、2010(平成22)年で23.1%、2025(平成37)年には30.5%になると予想されています。

高齢化の要因はなんですか?

日本の総人口は減少する一方で、65歳以上の人口比率は上昇を続け、団塊世代がすべて65歳以上になる2015(平成27)年には26.9%、さらに2055(平成67)年には40.5%に達し、およそ2.5人に1人が65歳以上の高齢者となると見込まれています。この要因は、日本の経済・社会の急速な発展のなかで、医療・衛生水準や生活水準が大幅に向上し平均寿命が大幅に伸びたこと、出生率が低下し少産少死時代を迎えたことなどがあげられます。

高齢者のみの世帯が増加しているそうですが、実態を教えてください。

高齢者(65歳以上)のいる世帯は次第に増加してきており、2013(平成25)年で約2,242万世帯、全世帯数の約4割(44.7%)を占めるようになっています。このうち単独世帯が25.6%、夫婦のみの世帯が31.1%、三世代世帯が13.2%です。三世代世帯は低下傾向、単独世帯と夫婦のみの世帯は上昇傾向にあります。この理由としては、平均寿命が延びたことにより、子どもが独立した後の期間が長くなっていること、家族意識の変化により老後は子どもに頼らずに生活していこうとする高齢者が増えたこと、都市部を中心に三世代同居が難しくなってきていることなどがあげられます。

認知症とはどのような病気ですか?

一般的特徴として、記銘・記憶力障害を中心とした見当識障害、計算力、理解力、判断力など知的機能の低下、これらに起因した日常生活への支障がみられます。また、しばしば行動障害、随伴精神症状、身体症状を伴います。なお、国際疾病分類第10版(ICD-10)によれば、認知症とは「通常、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、言語、判断など多数の高次大脳機能の障害からなる症候群」と定義されています。

「措置」の意味について教えてください。

措置とは、広義では、何かを取りはからうことを意味しますが、福祉サービスの利用に関する使い方では、行政がその権限として強権発動することによってサービスの利用決定を行うことをいいます。例えば高齢者虐待が発生し、放置すると重大な結果を招くおそれがある場合は、当該高齢者を一時的に養護者から分離するために、短期入所施設へ入所させる権限が市区町村にはあります。

認知症の原因となる疾患にはどのようなものがありますか?

わが国の認知症の原因疾患は、1980年代まで脳血管性が最多とされていましたが、近年の疫学研究ではアルツハイマー病が最も多いとする傾向にあります。性差については、アルツハイマー病は女性に、脳血管性は男性に多いとされています。そのほか、レビー小体型認知症、ピック病、頭部外傷などが原因となりえます。また、HIVウイルスやプリオンなどによる感染症が認知症の原因となることもあります。

認知症の高齢者が増えていると聞きました。実態を教えてください。

認知症を地域で見守るための国家戦略である「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)〜認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて〜」では、高齢者の約4人に1人が「認知症の人またはその予備軍」であるとしています。また、認知症の人は、2012(平成24)年には462万人(約7人に1人)だったのが、今日は500万人を超え、2025(平成37)年には約700万人(約5人に1人)に増加すると推計しています。

認知症の治療法としてどのようなものがありますか?

現在、脳血管障害の治療薬は多いのですが、脳血管性認知症自体を対象にする薬剤はありません。アルツハイマー病には、ドネペジル塩酸塩(アリセプト?)などが有効とされています。ただし、ドネペジル塩酸塩は症状の進行を抑える対症療法薬とされています。このように、認知症を根治できる薬物療法が存在しない現状では、効果的な非薬物療法により薬物療法を補い、治療効果を高める必要があります。

福祉事務所とはどのようなことを行うところですか?

福祉事務所とは、社会福祉法に規定する「福祉に関する事務所」のことをいいます。福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法および知的障害者福祉法)に定める措置等に関する事務を司る第一線の社会福祉行政機関です。都道府県および市には設置が義務づけられています。2014(平成26)年4月現在、全国に1,247か所設置されています。

社会福祉に従事する人にはどのような人がいますか?

社会福祉施設等に従事する職員(専門職)として次のような人がいます。
・社会福祉施設
社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・生活支援員・児童指導員・保育士・医師・保健師・助産師・看護師・理学療法士・作業療法士・栄養士など
・行政(福祉事務所等)
身体障害者福祉司・知的障害者福祉司・老人福祉指導主事・家庭児童福祉主事など

ケースワーカーとはどのようなことをする人のことをいうのですか?

ケースワーカーは、社会福祉に従事する専門職の一つですが、社会生活の中で困難や問題をかかえ、専門的な援助を必要としている人に対して、社会福祉の立場から、個別事情に即して相談を受け、課題の解決や緩和のために助言や支援を行います。

有料老人ホームにはどんなタイプのものがありますか?

有料老人ホームには、一般的に3種類のタイプがあります。
「健康型有料老人ホーム」は、食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設で、介護が必要となった場合には、契約を解除し退去しなければなりません。
「介護付有料老人ホーム」は、入浴、排せつ、食事の介護、食事の提供等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設で、入居後介護が必要となっても、その有料老人ホームの介護職員等が提供する特定施設入居者生活介護を利用しながら居室で生活を継続することが可能です。
「住宅型有料老人ホーム」は、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない居住施設です。住宅型という名称の通り、自宅での生活に近いのが特徴です。入居中に介護が必要となった場合は、介護保険制度下の訪問介護などのサービスを利用することができます。施設の介護職員等がサービスを提供する場合とサービスを外部委託する場合とがあります。

成年後見制度について教えてください。

成年後見制度は、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者などの方のうち、物事の判定能力が十分でない人が、本人の権利を守る成年後見人等の援助者を選ぶことで、本人を法律的に支援する制度です。法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。

法定後見制度と任意後見制度の違いについて教えてください。

法定後見制度とは、本人の判断力が不十分な状態にある場合に、本人、配偶者、四親等内の親族、市区町村長等の申立てによって、家庭裁判所が適任と認める人を本人の支援者(成年後見人・保佐人・補助人)に選任する制度です。成年後見人等は、本人が難しくなっている財産管理や契約行為の代理などを担います。一方、任意後見制度は、本人の判断力があるうちに将来の判断力の低下に備え、任意後見人になる人と支援してもらう内容について契約する制度です。実際に本人の判断力が不十分になったら、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもとで、任意後見人による支援を受けます。

成年後見制度の手続きは、どこに相談すればよいのでしょうか?

法定後見制度を利用するには、本人の住所地の家庭裁判所に後見開始の審判等を申し立てる必要があります。手続きの詳細は、申立てをする家庭裁判所に問い合わせてください。任意後見制度を利用するには、原則として、公証役場において任意後見契約を結ぶ必要があります。手続きの詳細は、近隣の公証役場に問い合わせてください。なお、審判申立てには手数料が必要ですが、費用の助成を受けられる場合があります。成年後見制度については、市区町村の窓口や地域包括支援センターなどでも相談を受けており、情報を得ることができます。

日常生活自立支援事業について教えてください。

日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者、知的障害者等のうち判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、都道府県社会福祉協議会が実施主体となって福祉サービスの利用援助等を行うものです。成年後見制度では、財産管理や福祉施設の入退所など生活全般の支援(身上監護)に関する契約等の法律行為を援助するのに対して、日常生活自立支援事業では、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭等の管理に限定しています。成年後見制度と併用することもできます。利用の相談・申し込みは、市区町村の社会福祉協議会で受け付けています。また、市区町村の窓口や地域包括支援センターでも情報を得ることができます。

市民後見人について教えてください。

市民後見人とは、一定の研修等により後見活動に必要な法律、福祉の知識や実務対応能力を備え、成年後見制度における後見活動を行う一般市民のことです。認知症高齢者や一人暮らし高齢者等の増加に伴い、成年後見制度の必要性は一層高まってきており、弁護士などの専門職以外の市民を含めた後見人による支援体制の構築が求められています。地域住民を対象とした養成研修や、市民後見人の適正な活動のための支援が市区町村において実施されています。

高齢者の消費者被害の実態を教えてください。

国民生活センターの発表によると、契約当事者が70歳以上の相談件数は、2014(平成26)年度で約20万件にのぼり、相談全体の約20%を占めています。内訳をみると、「電話勧誘販売」が最も多く、次いで「家庭への訪問販売」「インターネット通販」「劇場型勧誘」となっています。こうした状況をふまえ、消費者庁では、2015(平成27)年7月より、「消費者ホットライン(3桁の電話番号188〔いやや!〕)」で、最寄りの消費生活相談窓口の案内を開始しました。

クーリング・オフ制度について教えてください。

クーリング・オフとは、例えば訪問販売で拒みきれずに高額の売買契約をした場合に、契約後一定期間内であれば、無条件で契約解除ができる制度です。ハガキ等の書面で、契約解除する旨を販売会社や信販会社に通知することにより行います。訪問販売や電話勧誘販売による契約では、申込書面または契約書を受け取った日から8日以内に通知する必要があります。なお、通信販売には、クーリング・オフ制度はありません。

高齢者虐待の実態を教えてください。

厚生労働省の発表によれば、2013(平成25)年度において全国の市区町村および都道府県へ虐待の相談・通報された件数(虐待として判断されたもの)は、養護者(世話をする家族等)による虐待が15,731件、施設等の職員による虐待が221件となっており、年々増加しています。なお、身体的虐待(暴行)のほか、養護の放棄(ネグレクト)も虐待にあたります。

高齢者虐待防止法について教えてください。

急激な高齢化が進むなか、介護を必要とする高齢者に対して、家族や施設職員などによる虐待の存在が問題となってきました。高齢者の尊厳を保持するために早急な対応が必要となり、2005(平成17)年11月に「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」が制定され、2006(平成18)年4月から施行されました。一般的には「高齢者虐待防止法」の略称で呼ばれています。 65歳以上の高齢者の虐待防止、養護者に対する支援等を促進することにより、高齢者の尊厳を保持し、その権利利益を擁護することを目的としています。高齢者虐待にあたる行為として、家庭の養護者や施設等の職員による@身体的虐待(暴行)、A養護の放棄(ネグレクト)、B心理的虐待、C性的虐待、D経済的虐待、を定めています。また、虐待の防止と養護者の支援のための国、地方公共団体、国民の責務を規定するほか、虐待が疑われる高齢者を発見した方には市区町村への通報義務を課し、市区町村には届出窓口の設置とその周知を義務付けています。

高齢者への虐待を発見した場合は、どのようにしたらいいですか?

虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合には市区町村へ通報する義務があります。市区町村には届出窓口の設置が義務付けられており、地域包括支援センターが相談・通報の窓口となっています。

虐待の通報を受けた市区町村はどのような対応を行うのですか?

虐待の通報を受けた市区町村は、速やかに訪問調査等により事実確認を行います。高齢者の生命・身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められる場合は、緊急避難的に養護者から分離するために短期入所施設への入所措置等を行います。同時に、養護者への支援、施設への指導等を行います。

親が高齢のため住宅を改造したいと思っていますが、相談できる機関はありますか?

高齢になると身体機能の低下により、一般の住宅では生活を継続することが困難になってきます。住宅改造については、都道府県の高齢者総合相談センターで相談が行われているほか、福祉、医療、建築などの分野の専門家が世帯に出向き身体状況を踏まえた住宅改造について相談・助言を行うリフォームヘルパー事業が行われています。また、介護保険制度においても手すりの取り付け、段差の解消などの住宅改修が保険給付の対象となっています。市区町村の窓口や地域包括支援センターなどにお問い合わせ下さい。

サービス付き高齢者向け住宅とは何ですか?

サービス付き高齢者向け住宅とは、2011(平成23)年4月の高齢者の居住の安定確保に関する法律の改正により、これまでの高齢者円滑入居賃貸住宅制度を廃止し、国土交通省・厚生労働省共管の制度として新たに創設された住宅です。これまでの高齢者住宅制度の問題点を解消し、高齢者に合ったバリアフリー構造や25平方メートル以上の居室面積・設備を有し、安否確認サービスや生活相談サービスなどを行うとともに、ケアの専門家が常勤し、サービスを提供します。一定の基準を満たし都道府県に登録しなければなりませんが、建築費用への補助や税制面での優遇措置などが受けられます。

高齢者の雇用の実態について教えてください。

総務省の調査によると、2013(平成25)年時点で60〜64歳の雇用者は459万人、65歳以上の雇用者は375万人となっており、65歳以上の雇用者は増加しています。定年到達者の雇用については、2013(平成25)年6月1日時点における厚生労働省の調査によると、過去1年間の定年到達者のうち継続雇用された人の割合は76.5%となっています。

シルバー人材センターとは、どのような組織ですか?

シルバー人材センターとは、定年退職者などに臨時的・短期的な就業などを提供することを通じて、高年齢者の健康で生きがいのある生活の実現と、地域社会の活性化に貢献することを目的とした公益法人(会員組織)です。原則として市区町村単位に置かれています。会員である定年退職者などが、センターからの請負または委任の形式により、家庭教師、障子の張り替え、駐車場の管理、除草・草刈り、子守り、送迎等の比較的軽易な業務を行います。

監修者
石橋亮一   介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員・福祉住環境コーディネーター2級
         東京電機大学工学部・未来科学部 非常勤講師(介護福祉論・生活支援工学)
川上由里子 ケアコンサルタント。看護師・介護支援専門員・産業カウンセラー