平成30年度報酬改定のポイント 障害福祉サービス等報酬編
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 平成30年度報酬改定のポイント 障害福祉サービス等報酬編

 平成30年度は、診療報酬・介護報酬の同時改訂の他、障害福祉サービス等の報酬改定も行われます。ここでは障害福祉サービス等の報酬改定のポイントと、事業者の対応について解説します。

T 自立生活援助、就労定着支援、居宅訪問型児童発達支援等を新設

 平成30年度の障害福祉サービス等報酬の改定率は、改正障害者総合支援法等(平成28年5月成立)により創設された新サービスがあることも踏まえ、全体で+0・47%となっている。主な改定内容は、次の通り。

 

◎新設されるサービス

●重度障害者への支援を可能とするグループホームの新たな類型(日中サービス支援型)

 住まいの場であるグループホームの特性(ユニットの定員等)は維持しつつ、スケールメリットを生かすため、1つの建物への入居を20人まで認める。なお、緊急一時的な宿泊の場を提供する、短期入所の併設が必置。
 世話人の配置は、最低基準の5対1をベースに、4対1、3対1の基本報酬を設定している。

  • 日中サービス支援型共同生活援助サービス費(T)(世話人の配置が3対1の場合)

(1)区分6 1098単位/日 等

●自立生活援助

 障害者支援施設やグループホーム等から一人暮らしへの移行を希望する障害者本人の意思を尊重した地域生活移行を進めるため、理解力、生活力等を補う支援を行う新サービス(平成28年の法改正に伴うもの)。
 支援内容は、月2回以上の定期訪問のほか、利用者から要請があった場合の随時対応も行う。標準利用期間は1年(市町村判断で延長可能)。基本報酬は、次の通り。

  • 自立生活援助サービス費(退所から1年以内の利用者)

 @ 利用者数を地域生活支援員の人数で除した数が30未満 1547単位/月

 A 利用者数を地域生活支援員の人数で除した数が30以上 1083単位/月

 ※ このほか、退所等から1年を超える利用者の基本報酬も設定

●就労定着支援

 利用者との対面による相談等や雇用先の企業への訪問、関係機関との連絡調整等を一体的に実施することから、基本報酬は月額とし、包括的にサービスを評価する(平成28年の法改正に伴うもの)。そのうえで、就労定着率に応じて基本報酬を次の通り算定。利用期間の上限は3年。
 (利用者数20人以下の場合)

 (1)就労定着率が9割以上の場合

3200単位/月

 (2)就労定着率が8割以上9割未満の場合

2640単位/月 等

 なお、就労定着支援は、自立生活援助、訪問型自立訓練(生活訓練)との併給は認められない(サービス内容が異なる他の障害福祉サービス等との併給は可能)。

●医療的ケア児への支援の充実

 障害児通所支援を利用するために外出することが著しく困難な医療的ケア児等に対し、居宅を訪問して発達支援を行うサービスを新設。

  • 居宅訪問型児童発達支援給付費(1日につき)988単位

短期入所に新たな報酬区分を設け、看護職員を常勤で1人以上配置すること等を評価。

  • 福祉型強化短期入所サービス費(T)

(1)区分6 1096単位 等

 また、短期入所には、医療的ケア対応支援加算(120単位/日)、重度児者対応支援加算(30単位/日)等も新設。

●精神障害者の地域移行の推進

 長期に入院する精神障害者等の地域移行を進めていくため、地域移行実績や専門職の配置、病院等との緊密な連携を評価した新たな報酬を設定。

  • 地域移行支援サービス費(T) 3044単位/月

 1年以上入院していた精神障害者に対して、地域で生活するために必要な相談援助や個別支援等を社会福祉士、精神保健福祉士または公認心理士等が実施することを評価する加算を創設。

  • 精神障害者地域移行特別加算 300単位/日(1年以内)

●共生型サービスの基準・報酬の設定

 介護保険サービスの指定を受けた事業所であれば、基本的に障害福祉(共生型)の指定を受けられるよう、障害福祉の居宅介護、生活介護、短期入所等の指定を受ける場合の基準の特例を設ける。
 <障害福祉サービス等報酬の例>

  • 介護保険の通所介護事業所が、障害者への生活介護を行う場合 694単位
  • 共生型生活介護事業所等について、サービス管理責任者等を配置し、かつ、地域交流の場の提供等の実施を評価。

 【例】

  • サービス管理責任者配置等加算(新設) 58単位
  • 共生型サービス体制強化加算(新設)

 @ 児童発達支援管理責任者を配置

103単位

 A 保育士または児童指導員を配置

78単位

◎見直されたサービス等

●放課後等デイサービスの報酬の見直し

 これまで一律の単価設定となっていた放課後等デイサービスの基本報酬に、障害児の状態像を勘案した指標を設定し、報酬区分を設定。また、1日のサービス提供時間が短い事業所について、人件費等のコストを踏まえ、短時間報酬を設定している。

改定前
 

 @ 授業の終了後に行う場合

  利用定員が10人以下の場合 473単位 

  (児童発達支援管理責任者専任加算計上後 678単位)

 A 休業日に行う場合

  利用定員が10人以下の場合 611単位

  (児童発達支援管理責任者専任加算計上後 816単位)

改定後
 

 @ 授業の終了後に行う場合

  利用定員が10人以下の場合

授業の終了後に行う場合
 

 A 休業日に行う場合

  利用定員が10人以下の場合

休業日に行う場合
 

  ※ 児童発達支援管理責任者選任加算は報酬改定に伴い改定後の基本報酬に組込み

  ・指導員加配加算の拡充:一定の条件を満たす場合、児童指導員等の加配2人分まで報酬上で評価。 

155単位/日×2人分

  ・関係機関連携加算の拡充:学校と連携して個別支援計画の作成等を行った場合の評価を拡充。

1年に1回→1月に1回

  ・保育・教育等移行支援加算の創設:子ども子育て施策等への移行支援を行った場合に評価。 

500単位/回  等

●就労継続支援における賃金・工賃の向上、一般就労への移行促進

 @ 就労継続支援A型の平均労働時間に応じた報酬見直し

基本報酬については定員規模別の設定に加え、1日の平均労働時間に応じた報酬設定とする。

就労継続支援A型の平均労働時間に応じた報酬見直し
 

 A 就労継続支援B型の平均工賃に応じた報酬見直し

基本報酬については定員規模別の設定に加え、平均工賃月額に応じた報酬設定とする。

就労継続支援B型の平均工賃に応じた報酬見直し
 

●送迎加算の見直し

 送迎加算(T)は改定前の27単位/日を21単位/日に、同(II)は13単位/回を10単位/回に改定。生活介護においては改定前の14単位/回を28単位/回に改定。
 同一敷地内送迎は改定前の加算単位より30%減算。就労継続支援A型については自ら通うことを徹底、放課後デイサービスについては自立能力の獲得を妨げないように配慮するよう通知。

●地域区分の見直し

 これまでの7区分を介護保険とそろえて8区分にする

 

※… 人員配置7・5対1 定員20 人以下

 

改定の内容はすべて「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(平成30年2月5日)より

※ この記事は月刊誌「WAM」平成30年4月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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