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連載コラム
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施設経営者のためのコーチング

 全24回に渡って、施設経営者のためのコーチングのヒントをお届けします。


<執筆>
医療法人社団ときわ会
介護老人保健施設小名浜ときわ苑
施設長 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第3回: 部下を伸ばす聴き方の秘訣とは

聴いてもらうことで自分の「今」を自覚

 コーチングを行ううえで中心となるスキルには、「傾聴」「質問」「承認」「伝達」がある。今回は、そのなかで最も重要な「聴く」ことについてご紹介していきたい。

 周りの人と人間関係をつくるためには、まず相手の言葉を聴くことから始めなければならない。しかし、人は概して自分の話は聞いてほしいが、相手の話はあまり聞いていないものだ。きちんと聴くためには、じっくりと待つ忍耐力が必要だが、その実践はなかなか容易ではない。だからこそ、それをあえて意識的に行うことが効果的になる。

 人はどうして相手の話がよく聴けないのだろうか。まず多くの人は、話を理解しようとして聞いているのではなく、「何か答えようとして」聞いている。その要因として、人には見たいように見て、聞きたいように聞く、という特徴がある。見たり聞いたりしたものには、例外なく自分の解釈によって色がつけられ、形すら変えられる。事実より自分の解釈のほうが優先される、というメカニズムをもっているのだ。

 人は傾聴されることによって、受け止められた安心感や、自分の存在には価値がある、と実感することができる。何より、話し終わるとスッキリした気持ちになり、すべて出し切ることでまた新たなものを受け入れることができる。人は自分の話を聞いてもらうことで、自分の「今」の状態を理解し、自覚することができるのだ。

「相手から引き出す」状態を生む

 効果的な聴き方の手法としては、「あいづちを打つ」「相手の話したことを言い換える」「うなずき」「笑顔」「相手の言葉を繰り返す」がある。これらを意識的に行うだけで、相手の話に自然とリズムができ、いわゆる「相手から引き出す」という状態が生まれる。

 そして、まず話しやすい環境をつくる。話すことよりも聴くことに時間を割く。こちらから質問を投げかけたら、相手の返答を最後まで聴く。相手が話しているとき、別のことを考えたり相手の考えを先読みしたりしない。自分の判断を加えない。感情、考え、先入観をもたず、客観的な姿勢をとる。沈黙を受け入れる。話に対して「でも」「だけど」と返すのではなく、まずは「なるほど」と受け止める。また、言葉の内容そのものはもちろんだが、相手の声のトーンや目の動き、表情、顔色、ボディランゲージなどを通して相手から伝わってくるものを感じ取る、「直観力」も重要である。

 例えば、会議や面談などの場面で、事前に、この場では「話さない」「相手が主役」と決めることも一つの手である。人は、自分の話をきちんと聴いてくれる人には信頼感を抱きやすい。極端な話、求めていないアドバイスはいらない。相手が求めてきたら、初めてアドバイスすればよいのだ。

 結局、「君の話を聴きたい」という、その純粋な思いや興味がなければ、いくらスキルを駆使したところで、それは機能せず、相手にはすぐ伝わってしまう。まずは頭の中の雑念や決めつけを脇に置き、意識の矢印を部下(相手)に向けることが必要なのだ。

●7つの習慣名言集 スティーブン・R・コヴィー フランクリン・コヴィー社 2007
●部下を伸ばすコーチング 榎本英剛 PHP研究所 2005
●「相手の能力を引き出すスキル,コーチングとは」作業療法ジャーナル 鯨岡栄一郎 三輪書店 2011


※ この記事は月刊誌「WAM」平成23年6月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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