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連載コラム
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施設経営者のためのコーチング

 全24回に渡って、施設経営者のためのコーチングのヒントをお届けします。


<執筆>
医療法人社団ときわ会
介護老人保健施設小名浜ときわ苑
施設長 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第24回: 「問題」に対する考え方

問題に対する見方を変える

 リーダーとして最も重要な局面は、何か「問題」や「課題」が発生した時にどうするか、ということではなかろうか。皆その時のリーダーの姿勢をよく見ているものであり、それによって周りの信頼度や部署の雰囲気も変わってしまう。そもそも、問題が全く無くなる、というのはある種の幻想といってもよい。普段仕事をしていても、とてもよい知らせがあったと思えば、次の瞬間に重大な問題が起こったりもする。それらに対して一喜一憂せず、いかに上手く対処するかが自分自身のメンタルマネジメントにもつながってくるのだ。

 問題に対して、迅速に対処し、解決することはもちろん必要なのだが、コーチング的観点からいうと、問題に対する見方(とらえ方)を変えることがとても重要になる。

 まず、「それは本当に問題なのだろうか?」。入職したての頃大きな問題だと思ったことが、経験を何年も経た今では何とも思わないということもよくあるはずだ。つまり、同じことが起こっても、人によって、もしくは経験によって問題には感じないものなのだ。これは人間の感覚の特徴だが、目の前で問題が起こっているのではなく、「問題のようにみえる」「問題のように感じられる」だけなのだ。また、人によっては問題を大きくとらえ過ぎてしまう傾向もみられる。自分のキャパシティ(と思っている)から超えた時に、問題が不必要に増幅してみえてしまうのだ。

 そのような時、以下のようにセルフコーチングしてみるとよい。

 「どうしてそれが問題とわかるのだろうか?」「その問題は、私にどのような制限を加えているのだろうか?」「この問題から学べることは何だろうか?」「この問題の素晴らしい点はどこだろうか?」「これがどういう状態になったら理想だろうか?」

 いかがだろう?今まで問題に対して抱いていたイメージが少し変わってくるのを感じるに違いない。

問題を解決することで広がる未来をイメージ

 どんなに大きな問題や困難が起こったとしても、いくらじたばたしても結局のところ、出来ることしか出来ない。「今、自分の出来ることは何だろうか?」という観点から、自分に責任を引き寄せ、自分にコントロールできることにのみフォーカスし、着手していく。まさに、「下手の考え休むに似たり」「案ずるより産むが易し」である。

 とはいえ、確かに、問題が発生した時は厄介に感じたり焦ったりもするだろう。しかし、結局は「課題」があるから自身の能力が引き伸ばされ、成長につながり、経験値となっていく。また、「人間万事塞翁が馬」という諺があるように、その問題が後々考えてみれば転機につながっていた、ということが往々にしてある。「ピンチはチャンス」と言うように、今起こったことの意味づけをいかに自分に都合よく変えてしまうかによって、解決にかかる心持ちやパフォーマンスはかなり変わるのだ。

 世界No.1コーチと呼ばれるアンソニー・ロビンズは、「リーダーの仕事は、さらに質の高い問題を創り出すことだ」と言っており、また「その人の影響力が増せば増すほど、より大きな問題が起こってくる」とまで言っている。問題を解決することによって広がる未来をイメージしながら取りかかると感情が変わり、確実に解決に向かうに違いない。

 24回にわたってコーチングについてあらゆる角度からお伝えしてきた。コーチングとはまさに実践。人を変えるより先に自分が率先垂範し、これからもコーチ的リーダーを目指していこうではないか。ここまでお読みくださり、本当にありがとうございました。

●「動きたくて眠れなくなる」 池田貴将 2012 サンクチュアリ出版
●「デイの経営と運営「管理者・リーダーのための指導力を高めるコーチングメソッド」」 鯨岡栄一郎 2012 害OLサービス


※ この記事は月刊誌「WAM」平成25年3月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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