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連載コラム
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施設経営者のためのコーチング

 全24回に渡って、施設経営者のためのコーチングのヒントをお届けします。


<執筆>
医療法人社団ときわ会
介護老人保健施設小名浜ときわ苑
施設長 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第7回: コーチングの「流れ」を意識する 〜コーチング・フローとは

重要なのは「目標の達成により何を得たいのか」

 前号では、面談の場面などで使えるショートコーチングの方法と、会話の随所で活用すると効果的なコーチングスキルをご紹介した。

 コーチングは、実際にはセッションとして一定時間(30分〜1時間程度)を確保し、対面や電話などで場を設定して行う。内容としては、ただ思いつきで質問するのではなく、戦略的に流れを作っていく。その構造は『コーチング・フロー』と呼ばれ、

@望ましい状態の明確化 → A現状の明確化 → B現状と望ましい状態のギャップを引き起こしている理由と背景の発見 → C行動計画の立案 → Dフォローと振り返り。

基本的には、この流れにそって進めていく。

 まずはゴール設定。自分の目標や理想形を明確にすることから始める。得たいものを描くことができなければ、それを手にすることはできない。
 例)「このセッション終了後、どうなってたらいい?」
   「どんなことを達成したい?」

 目標は、「ねばならない」よりも「〜したい」と思える内容がよい。また、重要な点は、目標を達成することだけでなく、「その目標を達成することで何を得たいのか」を明確にすることである。

 次にそれに対し、現在地はどこにあり、現状と目標との差はどの程度なのかを把握する。
 例)「現時点でどんなことをやっているの?」
   「今、何を感じている?」

 そして、目標達成に向けた選択肢・方法を考える。その差を埋めるために具体的にどのような方策でいくのか?頭でわかっていることと行動との間にあるギャップを埋めていく。そのうえで、相手の意思・やる気を確かめ、行動を促す。どのような一歩から始めるのか?小さくとも行動をし始めなければ何にもならない。成果は動くことによって初めて生まれるのだ。

セッションは相手の返答を中心に構成

 その行動期間中、定期的なフォローアップ(進捗状況の確認や、それに対する承認)が重要となる。人は時の経過とともに行動の初期の意欲が低下したり、目標を忘れたりし、行動が途切れがちになる場合がある。そこで、定期的にリマインド(思い起こし)してあげることが有効なのだ。
 例)「あの件、どの程度まで進んでる?」

 最後に、セッションの振返りとして、全体を通して気づいたことをフィードバック(伝達)するとよい。
 例)「全体的に○○○と感じたんだけど、どうかな?」

 特筆すべきは、セッションとは相手からの返答をメインに構成していくということである。それに対し、とことん聴いて受け止めたり、承認したり、質問で深掘りすることで場を構築していく。こちらのアドバイスありきであったり、「解決してあげよう」というスタンスとは異なるものである。あくまで相手の主体性を大切にしていくのだ。

 日々忙しい現場で、とくに経営者や幹部クラスが、コーチングのためのまとまった時間を割くことはなかなか難しいかもしれない。きちんと場を作って行うことがベストだが、上記フローの要素をワンポイント的に用いるのも、またよしである。いかにもコーチング的な関わりを急に始めることで、部下からは違和感をもたれ、かえって心を閉ざされることにもなりかねない。一つコツとしては、あくまで自然体でさりげなくやるのがよいようである。

●「コーチングの進め方,そして目標設定<実践編>」 作業療法ジャーナル6月号 鯨岡栄一郎 三輪書店 2011
●「図解 コーチングマネジメント」伊藤守 株式会社ディスカバー・トゥエンティワン 2005


※ この記事は月刊誌「WAM」平成23年10月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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